こんばんは、ヴィスタリアです。
TBSラジオで花組「花より男子」の特別番組を聞きました。
再生ボタンを押すとジングルも時報もなくいきなり主題歌(柚香光くんの「好きだ」というセリフ入り)が流れてビックリしました。
番組では制作発表会の音声とパフォーマンス、野口先生のインタビュー、れいちゃん(柚香光)としろきみちゃん(城妃美伶)のインタビューがオンエアされました。
演出家野口先生の語る宝塚と花男ととめきめ
ヴィスタリアがもっとも興味深く聞いたのが野口先生のインタビューでした。
まず制作発表では演出のアイデアに言及がありました。
この作品のもっともすばらしいところである、次から次へとストーリーが畳みかけるように展開していくところをどうやって演劇的にできるのか、
スピード感が求められるので舞台全面にLEDをはりつめまして、漫画のページをめくるように、スマホをスワイプするように、一瞬で展開していく方法を考えています。
これを聞いたときヴィスタリアの脳裏に「BEAUTIFUL GARDEN」
のHANAOTOKOが一抹の不安とともに浮かびました。
(ヴィスタリアの個人的な趣味なのですが野口作品と相性があまりよくないのです。
お好きな方ごめんなさい。)
インタビューでは野口先生が演出家を志すきっかけ、そして入団後デビューするまでのお話がありました。
小学生のころから宝塚が好きでテレビで見ていた。中学生の時はじめて東京宝塚劇場で観劇した瞬間、宝塚に入りたいと思った。
劇場の地下で売っていた「歌劇」の演出助手募集の記事を見て年齢制限がなかったのでさっそく応募したが一向に音沙汰がない。
総務課に電話をしたら”大学をでてください”と言われて、演出家をたくさん輩出している日本大学芸術学部演劇学科に入り、卒業の年に募集があり運よく入ることができた。
生徒さんの宝塚を志すきっかけはドラマチックで、入団後苦労が多いかと思いますがそれは野口先生も同じようです。
入団後7~8年は演出助手として稽古場での音出し、お茶汲み、コピー取り、振付家などスタッフの宿泊や交通費の手配、スケジューリングなど、なんでも屋のように働いていくうちに演劇とは、宝塚とはなにかを体で覚えていく。
デビューするのはいいんですがそこから残っていくのが大変だと日々痛感しています。
脚本の書き方や宝塚歌劇の定石についてのお話もありました。
人物ありきで書いていくので登場人物表をつくり、その後箱書きという構成表をつくってどうやったら宝塚的、ミュージカル的になるだろう、どこにナンバーを入れようというのを何ヶ月かかけて考えていく。
基本的に押さえなければならない構成というものがあって、主演の男役、女役、2番手ーーたとえば花沢類が歌ったりとか。たとえば暗くなりそうなときに盛り上がる祭りのような場面をいれるのも宝塚の定石。華やぎが生まれてお客さんをひきつけられる。
宝塚は外の演劇に比べてそういうものを意識していて、もちろんそれに従わなくてもいいんですけれど、そういったものにのっとって作ると心地よく見ていただけるので意識してやっています。
この暗い場面と祝祭の取合せはよくわかります。
直近ですと「霧深きエルベのほとり」のビア祭りが思い浮かびましたし、
好きな作品ですと「哀しみのコルドバ」のオープニングを思い出しました。
ほかにもたくさんこういう場面はあるでしょう。
今作「花より男子」は原作漫画はもちろんのこと、ドラマ、映画、アニメ、各国での映像化などすべてのメディア化作品をご覧になっているそうで野口先生の並々ならぬ思い入れが伝わってくるようでした。
今回は漫画を宝塚化することにこだわって作っています。
漫画は牧野つくしが主人公ですが、柚香の主演公演ということで男性を主役にしなければいけない。
柚香演じる道明寺司を芯に持ってきて、そこに牧野つくしと花沢類の恋愛関係をしっかり描かなければならない。
また宝塚は夢の世界ですから華やかにショーアップして、海辺のビーチパーティー、夜会、ミスコンなど要所要所に盛り上がる場面をつくり、そこに人間関係を凝縮させるようにしました。
このミスコンは漫画にはない、宝塚的な演出があり「当日のお楽しみ」だそうです。
ところで冒頭のLEDの漫画、スマホのスワイプ風演出と同じくらい気になったのが、F4をひきたたせるときめきの演出は?という質問に
「ベタなんですが、壁ドンとか顎クイとか濡髪とかそういうものはもちろん入れていくつもりなんですけど」とさらりとお答えだったことです。
「宝塚は曲のつくり、ダンスナンバーでお客様をときめかせるテクニックがあるので入れていきたいと思っています」と続いたのでこちらに期待したいです。
聞けば見えてくる? 制作発表の音声
制作発表の音声はれいちゃんの意気込みが流れました。
あなたにとっての少女漫画の原点はなんですか?と尋ねられれば”花より男子です”とお答えするだろうなというくらい大切に思っている作品で
道明寺司を演じさせていただくことをとても光栄に思っておりますし、心をこめて誠実に取り組んでまいりたいと思っております。道明寺司が(中略)牧野つくしに出会うことでどのように成長しなにを感じ、どのように人と向き合うことを覚えていくかをていねいに演じていくことができたらと思っています。
また制作発表で披露された「ボーイズ オーバー フラワーズ」が流れました。
この歌がソロは別として、4人で歌うところが音や声があまり合っていないような……まだ制作発表でこれから稽古があるでしょうから初日の幕が開くころにはよいものになっていることでしょう。
ところでこの歌ではF4のセリフが入っていました。
西門総二郎/希波らいと「男と女は一期一会だから」
美作あきら/優波慧「不倫といえど純愛だよ、純愛」
花沢類/聖乃あきら「5分間だけ、おれを抱きしめてくれないか」
道明寺司/柚香光「好きだ。おれがほしいのはおまえだけだ」
これは原作の有名なセリフなのか野口先生が考えられたものなのか気になりました。
れいれいコンビのインタビュー
アナウンサーさんが質問をする形でれいちゃんとしろきみちゃんのれいれいコンビ(byれいちゃん)のインタビューがありました。
◆宝塚に入ったきっかけ
まずはれいちゃん。
れいちゃんは以前「ビバ!タカラジェンヌ」を視聴したときも思いましたが飾らない言葉が自然と出てくるのが魅力的です。
敬語や言葉遣いなどものすごくきちんとされているなかでときどきぽろっと素直な感情が出るんです。
音楽学校に入学するまでは自分の生活に宝塚歌劇団のタの字もないくらい、舞台も映像も見ることもなく過ごしていました。
小さいころからクラシックバレエとピアノを習っていて中学校を卒業するとき進路を考えた際にバレエ教室の先生が”舞台に立つにといってもバレエだけではないので宝塚や四季などミュジーカルも考えてみたら”と言われて関心を持ったのがきっかけでした。中学3年生の11月くらいに音楽学校の願書に入っていたカリキュラムをみて”ああ、毎日踊って歌ってタップもお芝居も日本舞踊もあっておもしろそう”と、音楽学校に入りたい気持ちで願書を出しました。
受験するならばと1月に学校をさぼって舞台を観に行き、”なんてすてきなんだろう!ここに入りたい”と思って受験しました。男兄弟で共学だったので、音楽学校に入ったときに女子の花園の空気感に圧倒されたのを覚えています。すげーって。
共学出身の人と女子校出身の人の接するときの距離感の違いとかもすごい!と。毎日新鮮でした。
(中略)前に向かっていくキラキラした人を見てすげーってなってました。
一方のしろきみちゃんはれいちゃんから「すげー」と言われる側にいたようです。
私も小さいころからバレエを習っていて夢は一輪車サーカスとバレリーナでした。
6年生の夏休みに宝塚を観に行ったらはまって、1幕が終わった時には”ここに入ろう”と決めていました。私は女子校育ちなので柚香さんみたいなことはなかったんですけれど(笑)、すごく入りたかった世界なので、”これってこんなふうになっているんだ”、”本科生さん、きれい~”とすべてが憧れの空間で、”私いま、音楽学校にいる”と、とにかく2年間楽しかったです。
このしろきみちゃんのときめきにあふれた感動がキラキラしていて声も話し方もかわいかったです。
◆男役、娘役としてのこだわり
れいちゃんのこだわり。
男性がご覧になっても、男役なのか男なのかと思うくらい説得力のある、隙のない男役像をつくっていきたいです。
女性から見た理想の男性像を演じる方がいいときもあれば、男性が共感すら男性像を演じた方がいいときもあるので、そういったものをくみ取って”こういう人いるな”と思っていただけるような役づくりをしたい。
しろきみちゃんは「舞台でナチュラルで見えるように、地毛を使うことを研究している」そうです。
このお話はもっと聞きたかったのに答える時間が短くて残念でした。
というのも花組「CASANOVA」の男装の麗人アンリエットのヘアスタイルが低い位置で結ぶという娘役さんとしてはめずらしいもので、しろきみちゃんご自身に似合うようよく研究されていると思って見ていたのです。
ヘアスタイルといえばれいちゃんが道明寺司のあの髪型について言及していました。
ビジュアルは漫画原作のイメージを大切にしたいと思うのですが、漫画の前半と後半で髪型が結構変わっていたりしているので、
自分とのバランスだったり衣裳、皆とのバランスを見たりしながら一番いい形にしたいと思っています。
宝塚歌劇の「花より男子」が、れいれいコンビの道明寺司と牧野つくしがどんなふうになるのかますます興味がわいてきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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