こんばんは、ヴィスタリアです。
花組「CASANOVA」のキャストごとの感想です。
作品の感想を書いてから少し間が空きましたが、ひょんなことから2回目の観劇ができました。
1回目を観劇しながら「楽しい!もう1回見たい」と思っていたので大感激でした。
2回目も楽しかったです!
そんなヴィスタリアの例によって独断と偏見、偏愛に満ちた感想です。
目次
ジャコモ・カサノヴァ/明日海りお
カサノヴァは花娘たちに囲まれ次々と絡むプレイボーイっぷりも見られ、ベアトリーチェを真剣に想うところも見られ、
かっこいいみりおちゃんをたくさん見ることができました。
髭面のゴンドリエーレになったかと思えばドン・ジョヴァンニになったりと変幻自在、そして軽妙洒脱な笑いも誘って自由自在に劇場を魅了していると感嘆しました。
そして膨大な歌も自由自在に美声が響き渡り、うっとりでした。
みりおちゃんの舞台を見ると緻密な演技と華やかさ、美しさ、そして美声に心を奪われずにはいられません。
それにしてもみりおちゃん、なんという美しさと色男っぷりなんでしょう。
女たちが夢中になって愛を求めるのも納得です。
しかもカサノヴァのモテっぷりが色気や美しさのみならず、彼が自然体で自分の心に思うがままに従っていることの人間的な魅力からくるものなのが
演技から伝わってくるように思いました。
カジノでたくさんの仲間たちから人望があるのも納得です。
みりおちゃんのカサノヴァはプラチナブロンドの凝ったヘアスタイルがとてもお似合いでした。
しかも耳朶にはスタッズタイプのピアスがキラリと光っています。
みりおちゃんのこのカサノヴァのヘアスタイルとアクセサリーは宝塚歌劇の芝居では珍しくて新鮮に感じました。
特にヘアスタイルは無造作に見えるヘアアレンジをしている風に見えるように計算されているのではないでしょうか。
これはベアトリーチェ/仙名彩世のヘアスタイルにも共通することだと思いました。
そして耳に光るピアスがなんともセクシーで、特に黒い衣裳に映えますね。
イヤーカフは男役さんもよくされますが、お芝居でこういったアクセサリーの使い方はあまり見ないような気がします。
ベアトリーチェ/仙名彩世
この公演で卒業されるゆきちゃんは、今回も 最高の演技、歌、ダンス、美しさを見せてくれました。
ゆきちゃんは好奇心と知的欲求、エネルギーのあふれるベアトリーチェを生き生きと演じていました。
ベアトリーチェはこの時代の女性としては珍しいところがあるのではないでしょうか。
◆自分の意思ではない結婚はしないとはっきり宣言する
◆修道院で修行中にヴォルテールを読んでいる
ゆきちゃんは大人っぽい、艶のある女性が似合うイメージがありますが、ベアトリーチェのこの枠におさまらない個性をゆきちゃんの個性に自然にマッチさせていると思いました。
それを感じたのが馬車のラップの歌です。
ベアトリーチェの好奇心とラップを歌いこなすゆきちゃんが融け合っていると感じました。
そして「Delight Holiday」で弾けていたゆきちゃんを思い出しました。
ところでこの馬車の場面で カサノヴァに恋をした瞬間、恋に落ちた表情の演技がすばらしかったです。
あ、いまこの瞬間なんだとベアトリーチェの表情を見ているとわかるんです。
何度でも見たい!と思いました。
そしてゆきちゃんのアクセサリー、カツラのセンスは今回もすばらしかったです。
みりおちゃんのところでも触れましたが、ベアトリーチェのヘアスタイルが 髪をきっちり編んでからわざと崩したり緩めたりしてニュアンスを出しているヘアアレンジに見えるのがとてもすてきだで新鮮だと思いました。
巻いたり垂らしたりだけではない新しい娘役さんのヘアスタイルの提示ではないでしょうか。
衣装は奇抜なくらいカラフルなものもありましたが、ポスターやフィナーレでも着ている水色のドレス、赤いビスチェドレスがすてきでした。
この赤いドレスはシンプルな形で結婚式のカラードレスのようでもあり、ベアトリーチェとカサノヴァはどうなるかわかりませんが、結婚式のような…幸せな1日を過ごしたのかもしれないと思ったりもしました。
そしてゆきちゃんのデコルテ〜肩、腕にかけての美しさがあってこそのドレスでしょう。
フィナーレのデュエットダンスも美しくて、振付がシンプルだからこそ浸れてうっとりでした。
アントーニオ・コンデュルメル・ディ・ピエトロ/柚香光
黒い役で、しかもただの悪役ではなくコミカルさ、夫人とのこじれた関係もあり2番手としてこれ以上ないほどおいしい役だと思いました。
1回目に観劇したときは怒鳴り声が大きくてやや聞き取れないこともあり、また喉が大丈夫なのかと心配になりました。
2回目に2階B席最後列で観劇したときはあまり気になりませんでした。
コンデュルメル夫人とのこじれた関係、やりとりが深くて好きです。
コミカルな要素も多くてたくさん笑いました。
彼のちょっとまっすぐすぎるところが憎めません。
笑った場面の一つに宮殿に忍び込んだカサノヴァにのぼせた女官たちを追いかけるところがありますが、驚異的な跳躍力に舌を巻きました。
コンデュルメル夫人/鳳月杏
ちなつさんの女役は妖艶かつ玲瓏たる美貌、抱えた心の傷の演技、堂々たる歌唱、すべてが頭抜けていると思いました。
コンデュルメルとこじれて薬を飲むところの演技は心を打たれ、この作品で唯一涙が出そうになりました。
演技はもちろんのこと、ちなつさんの歌唱がすごすぎて息を飲みました。
男役さんなのにこれほど高い声を朗々と響かせることができるんですね。
月組に組替えされてから「ON THE TOWN」「I AM FORM AUSTRIA」と海外ミュージカルが続きますが、大いに楽しみです。
女役としていいなあと思ったのが立つときの重心のかけ方です。
娘役さん、女役さんの立ち方とは少し違う、なんといいますか、モデルさんの立ち方、重心のかけ方で、
それがタイトで妖しげなドレス、コンデュルメル夫人という女性、ちなつさんの手脚の長さと美しさによく似合っていました。
パレードで一段と大きな拍手が起こっていたのも納得でした。
実力と存在感にふさわしい活躍の場がもっとあってほしいと思う生徒さんの1人です。
マリノ・バルビ神父/水美舞斗
ボサボサの髪と髭ですが、整ったお顔と色気は隠せません。
神父ながらモテモテなのも納得のマイティーでした。
カサノヴァと行動をともにするので出番が多いのですが、演技の確かさを感じました。
(「メランコリック・ジゴロ」のスタンをどんなふうにやったのかぜひ見てみたいと思いました。)
そしてマイティーといえばダンスです。
フィナーレの男役群舞で輝いていました。
マイティーのダンスのキレは軽やかなキレではなく、しっかりとした軸と筋肉を感じさせるキレで迫力があります。
コンスタンティーノ/瀬戸かずや
あきらさん(瀬戸かずや)のコンスタンティーノは金髪の美青年で資産家という天から何物おも与えられた人物です。
カサノヴァやピアスやらコンスタンティーノは大振りのピアスに指輪をこれでもか!と着けています。
衣裳もきらびやかであきらさんの美貌にぴったりでした。
そして笑わせてくれました。
ゾルチ夫人との場面は一番笑ったかもしれません。
ゾルチ夫人/花野じゅりあ
生田先生は退団される花組が誇る娘役によい役を書いてくださったと、ゾルチ夫人とダニエラを見て思いました。
ゾルチ夫人はカサノヴァ/明日海りおとコンデュルメル/柚香光の元愛人で、コンスタンティーノ/瀬戸かずやと恋に落ちる役どころです。
囚われの貴婦人という絵になる美しい場面もあれば、コンスタンティーノと笑いを取るおいしい場面もありました。
そしてドンナ・ロッサ(赤いドレスの娘役)、フィナーレでみりおちゃんを囲み、組んで踊るところの美しさはこれぞ花組の娘役でした。
ゾルチ夫人のきっちりと巻いた金髪も美しいですがフィナーレの髪型もすてきでした。
ダニエラ/桜咲彩花
今回が退団公演のべーちゃんはベアトリーチェの侍女ダニエラ役でした。
ベアトリーチェ/仙名彩世につき従っているので出番は多いですし、ベアトリーチェとの別れの場面など見せ場もあります。
べーちゃんの淑やかさと清らかな美しさがあふれていました。
軽やかな紺色の衣裳がとてもよくお似合いでした。
バルビ神父との間にどんな恋があったのか知りたくなります。
ゆきちゃんもしっとした声で滑舌がよく、べーちゃんの声も聞きやすくて滑舌がよく、お2人の場面は至福でした。
そのほか気になったキャストたち
花組は男役さんも娘役さんも充実していて目が足りません。
その中でも特に気になった方について一言ずつですが触れさせてください。
◆ミケーレ伯爵/夏美よう
この手の怪しげな役はお手の物のハッチさん、さすがでした。
専科さんが喋ると長年培った発声、技術のすごさを感じます。
◆モモロ/羽立光来
歌がすごい! 今回の舞台に欠かせない人物だと思います。
◆アンリエット/城妃美
男装でもドレスでも麗しくて、しろきみちゃんが好きなのできゃー!!でした。
カジノにコンデュルメルが乗り込んできたとき、カサノヴァを救うためだけでなく必要以上にいちゃいちゃしているときのムードがすごいです。
きゃー!!と思いながらオペラグラスでロックオンでした。
◆ベネラ/音くり寿
狐と狸だけでなく(「蘭領王より)、小猫もいいですね。
衣装や動きなど小柄なおとくりちゃんによく似合っていました。
エトワールの歌唱も堂々としていてすばらしかったです。
これを書きながらまた見たくなってしまいました。
残念ながら大千秋楽のライブビューイングにはいけないので当日券にチャレンジしてみようと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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