観劇の感想

花組「MESSIAH」絵巻物を遠くから眺める

こんばんは。
宝塚ではない趣味で遠征中のヴィスタリアです。
 
月組の美弥るりかちゃん休演にともなう代役の公演が好評のようですね。
さすが宝塚、さすが月組、心からの拍手を送りたいです。
 
– – – – –
 
  • 話は変わりましてヴィスタリアが劇場に行くのはせいぜい1~3回/月なのですが(「えっ、その程度?」と思われるかもしれませんが)、今月はそれが1週間に集中していました。
 
星組青年館の「サンダーボルトファンタジー/キラールージュ」の熱もさめやらぬまま、花組「MESSIAH-異聞・天草四郎-/BEAUTIFUL GARDEN」を観てきたのです。
 
A席の最前列で、今回は母サラ(ライトなヅカファン)と一緒に観劇しました。
 
 

花の美しさはそれぞれ。人の好みもそれぞれ

見終わって、花組はこの1回しかチケットが取れていなかったのですが、それでよかったかもしれないとヴィスタリアは思いました。
 
なぜかというとお芝居もショーもヴィスタリアの好みに合いませんでした。
ごめんなさい。
 
2回観れば違う感想が生まれたのかもしれませんが、もう1度見たいかと問われると悩むところです。
念のために申し上げますが花組さん自体は何度でも見たいです。
花組さんはトップコンビからスターから期待の下級生から正に花盛りで、熱い舞台ですばらしかったです。
 
しかしこの2作品で見たいかというと…。
すばらしい生徒さんたちはよい作品で見たいです(そしてもちろんできればよい席で)。
 
独断と偏見と偏愛に満ちたこのブログですが、今回はヴィスタリアの趣味に合わなかったという感想に触れていることをお断りした上で書いてまいります。
 
 

「MESSIAH」は美しい絵巻物

原田先生の「MESSIAH」は話はまとまっているとは思うのですが、展開していく舞台を観ながら「おもしろい」とはヴィスタリアは思えませんでした。
 
なぜなのか考えてみたのですが、演出や展開に話にひきこむ緩急、うねりのようなものが少なかったような気がするのです。
 
テンポがずーっと一緒のように感じられ、美しい絵巻物を遠くから眺めているようでした。
立体感や仕掛けもないもない、どこまでも同じ筆致で描かれる遠い昔の絵巻物です。
 

明日海りお様ひきいる花組の熱演で盛り上がるハイライトはあるのですが、それは舞台上の花組生ものごい熱意、エネルギーからくるものであって、ストーリーや演出からではないと思いました。

 
美しいものを遠くから眺めているようだと感じた理由がもう一つあります。
人物たちの背景や心情、あるいは変化などがあまりにもあっさりと描かれているからか目の前に立ち上がってこないのです。
 
物語の前半でそういったことが多く、淡々と進んでしまうのでもったいないように思いました。
これがもっと描かれていれば一揆が起きてからの四郎たちや四郎と流雨の恋や一人生き残ったリノに感情移入できてもっと泣けたり、最後の黄金の衣をまとった四郎と流雨の姿が生きてくると思うのです。
 
たとえばですが、ゆきちゃん(仙名彩世)演じる流雨という女性はものすごく個性的な名前です。
それについてリノと話すとか、四郎と話すとか。
四郎と心を通わせるシーンがもう少しあってもよかったのではないでしょうか。
 
 
各キャストごとの感想です。

天草四郎/明日海りお

登場からしてこれぞトップスターというオーラがあり、赤毛のポニーテール風のヘアスタイル、真紅の衣裳が凛々しく美しかったです。
 
まさに熱演でした。
演技、立ち回り、ダンス、歌、なにをとってもすばらしかったですし、込められたみりおちゃんの熱い心、情熱が痛いくらい伝わってきました。
 
天草の人々の支えとなり、リーダーとなり引っ張っていく四郎の姿が花組のトップスターとしてすばらしい組をまとめ、率いているみりおちゃん自身に重なりました。
 
特に「メサイア」の大合唱で花組子たちの真ん中に立ち、率いるところがすごかったです。
この場面は呼吸を忘れそうになるくらい心を揺さぶられました。
 
 

流雨/仙名彩世

歌がよいのはもちろんですが声がまろやかで耳に心地よかったです。
リノのミューズであり、松倉に望まれ、四郎に愛され、すばらしい女性なのでしょう。
 
美しいということは松倉の「鄙にもめずらしい云々」というセリフでもわかりますが、性格や人物像の描かれ方が淡く、ゆきちゃんの代表作になるような役ではないと思いました。
 

みりおちゃんとゆきちゃんが組んで大劇場は3作目ですが、「邪馬台国の風」「ポーの一族」そして「メサイア」とわりと淡い恋愛関係が続いているように思います。

 

2人がどっぷり絡むようなラブストーリーの本公演も見たいです。

次回の花組は一本物で「カサノヴァ」ですけれどどうでしょうか。
 
 

リノ(山田右衛門作)/柚香光

物語の始まりと終わり、物語中で違う一面を見せなくてはいけないので難しい役だと思います。
 
始まりは落ち着いた、辛い過去の思い出がまとわりついているような演技がよかったです。
 
しかしリノ時代になると感情表現の揺らぎのようなものがあまり感じられず、色で言うなら三原色しかないように思いました。
もっと微妙な色合い、変化、濃淡が出ると説得力や存在感が出るのではないでしょうか。
 
また音響のせいかもしれませんが、語尾が聞き取れないことが度々あったように思います。
 
 

益田甚兵衛/一樹千尋

さすがの存在感と演技でした。
宗門改めの場面で四郎を家族だというところでは、劇場の空気がビシっと締まるのがわかりました。
痺れました。
 
 

渡辺小左衛門/瀬戸かずや

立ち姿が美しく、堂々たる男っぷりでかっこよかったです。
有力者で皆の中心、支えとなっているであろうことがよく伝わってきました。
 
濃紺の衣裳もよく似合っていてすてきでした。
 

一つ残念だったのが、語尾に向けて早口になると聞き取れないことがありました。

リーダー格の人物なのでもう少し話すスピードがゆっくりでもよかったように思いました。
 
 

松倉勝家/鳳月杏

紛うことなき悪役です。本当に、心底いやな悪役です。
無慈悲さの温度が低いといいますか、当然のこととして要求している徹底ぶりが伝わってきました。
 
島原の民の苦しみは民衆を演じている生徒さんの演技からも伝わってきますが、ちなつさんの苛烈な悪役っぷりによってより際立っているように感じました。
 
「ポーの一族」でも思いましたが演技が的確で頼もしいスターさんですね。
 
 

松平信綱/水美舞斗

端正な美しさが一際目立っていました。日本物もよいですね。
 
リノとの交渉で条件を提示する場面が特に印象に残りました。
 
 

鈴木重成/綺城ひか理

演技も声もよく、ヴィスタリアは鈴木が一番印象に残りました。
一人だけ出そうとしている雰囲気が違うようにさえ感じられました(もちろんよい意味で、です)。
 
綺城ひか理さん、覚えました。
これから注目したいと思います。
 
 

咲/城妃美伶

フランス人形のような美貌が目を引きました。おしとやかな話し方もよかったです。
 
妹の舞空瞳ちゃんと並ぶと美×美できらきらまぶしいくらいでした。
 
 

萬/舞空瞳

子役ですがお顔のかわいらしさと小ささ、無邪気な子どもらしさの演技がよくて目だっていました。
 
裸足に草履(おそらく)だと思うのですが、膝から下の長さがすごいです。
どこにいても目立ちますし将来はきっと真ん中に立つのだろうという器の大きさがあったように思います。
 
 
以上、ヴィスタリアの偏愛に満ちた感想でした。
 
見終わった後、母サラも大体同じような感想だったようで「すごく長く感じた」と言っていました。
 
「明日海さんってほんとうにきれいねえ。あと悪い殿様をやっていた鳳月杏がよかった」とも言っていて、母にとっては数年ぶりの花組観劇でしたが楽しんでもらえたようでよかったです。
 
 
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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