観劇の感想

宙組「アナスタシア」観劇の感想〜海外ミュージカルを宝塚歌劇で上演するということ

こんばんは、ヴィスタリアです。

宙組「アナスタシア」を観劇してきました。

初日から間もない三連休ということもあってか取れたのはB席の最下手、ほとんど壁際でした。

それでもちゃんと見えるのが東京宝塚劇場です。

花道を出入りしたりせり上がってくるスターさんがよく見えたり、捌けるときに視線を残してくれるのはうれしくもあります。

例によってヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた感想で、作品の内容に触れています。

宙組「アナスタシア」美しい映像とコーラスが誘うお伽噺の世界

大劇場のライブ配信を見て劇場では初見です。

ターコさん(麻実れい)がマリア皇太后を、コムちゃん(朝海ひかる)がリリーを演じた梅芸版も見ておけばよかったと臍をかんでいます。

観たいと思ったら逃してはいけませんね。

元のディズニー映画は未見なのですが宝塚歌劇版を見てなんとなく近いものも感じました。

涙を誘うような話ではないはずなのに、始まりの美しい映像と音楽
アナスタシア/天彩峰里マリア皇太后/寿つかさの心があたたまる、遠い記憶を呼び起こすようなやりとりから
目が潤んでしまうのを止められませんでした。

遠い優しい記憶みたいなものが刺激されるのか、
あるいは絵本をめくって夢の世界へと入り込んでいった子どものころのイノセントな読書または映像体験を思い出すのか。

まだ始まったばかりだというのに、とどうにか落ち着けているうちに
舞台のペテルブルクはレニングラードとなって、革命後の世界を生きる人々の歌を聞いているとやはり目頭が熱くなってたまりませんでました。

宙組生が自負を持っているコーラスのすばらしさに圧倒され
厳しい世界で苦しみ不満を抱えながらも生きている人々の息づかいが痛いほど伝わってきたからです。

宙組生のコーラスは特に1幕最後のパリを目指す人々のアカペラが圧巻でした。

目の前の舞台、ストーリーそのものへの感動、宝塚歌劇のすばらしさに浸れる感動に歌が持つ力に心を動かされる観劇体験でした。

「アナスタシア」と「エリザベート」を宝塚歌劇で演じるということ

海外ミュージカルを本公演でやると役の少なさがネックになります。

先般スカイステージで放映されたオリジナル番組「宝塚魂」で小池修一郎先生が
「本来30人くらいでやる海外のミュージカルだが、宝塚のシステムは明日、明後日のスターを育てなければならない」といったことをお話されていたのが印象的でした。

別箱公演でスタートした「ロミオとジュリエット」は
役どころが少ないので
本公演で上演するにあたりキャストが足りないので役替わりという形をとったというお話もありました。

今回は役替わりなし、かつ女性の大きな役2つ(マリア皇太后とリリー)を男役が演じました

パレードの階段下りもその少ない役とシングルキャストを反映したもので、近年稀に見るものだったのではないでしょうか。

・花音舞(エトワール)
 ↓
・和希そら
 ↓
・桜木みなと
 ↓
・芹香斗亜
 ↓
・星風まどか
 ↓
・真風涼帆

しかもそらくんでさえ1幕はあちこちでバイトをしていまた。

バイトの中にも上級生、スターさんがあっちにもこっちにもで真ん中も観たい、後ろも観たいで忙しかったです。

ところで男役が女性の役を演じてもフィナーレは男役で出ることがよくありますが、
そらくんはフィナーレも娘役として踊っていました。

このシングルキャスト、フィナーレも女役、階段おりの少なさは
今回が1本物、海外ミュージカル初演出となる稲葉太地先生の特徴なのか、組事情を反映してのものなのか。

稲葉先生の星組「ロミオとジュリエット」の演出のうち、
こちらは怒涛の役替わりかつ小池先生の潤色・演出があってのものではありますが、
フィナーレから見えてくるものがあるかしら?と気になっています。

アナスタシア」はお伽話のようなミュージカルで音楽もよく、
映像・セットとヴィジュアルでもうんと楽しめるのは舞台芸術の完成度が高く様々な舞台機構を備え、愛と夢を見せてくれる宝塚歌劇に合っていると思います。

衣装の豪華さもしかりです。

ただこれは個人的な趣味ですが、河底先生の衣装と趣味が合わないので今回も「うーん…」と思うものが多かったのが正直なところです。

特に2幕のパリのアーニャのワンピースやドレス、リリーのワークスタイル、娘役さんのドレスは考え直してほしかったです。

では宝塚歌劇にマッチするからといって、「アナスタシア」と同じくタイトルロールが女性である「エリザベート」のように
宝塚歌劇で繰り返し再演を重ねる作品になるかどうかはちょっとわからないとも思いました。

どちらも主役がタイトルロールから男役に変更されていますが、
ディミトリという役があまりにもトップスターが演じる役らしからぬ役だからというのが理由の一つです。

「エリザベート」のトートは死という存在しえないものと男役の現実には存在しないものが融合し魅惑的なものとなりましたが、
「アナスタシア」のディミトリは詐欺師で生い立ちは不幸で一見してのわかりやすいかっこよさからは遠い人物です。

そんなディミトリをかっこよく見せてアーニャの物語でありながら主演として輝いているのはゆりかちゃん(真風涼帆)の男役として充実していることの証左だと思いました。

ディミトリはじめキャストごとの感想は次の記事に続きます。

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