観劇の感想

月組「I AM FROM AUSTRIA」キャストごとの感想

おはようございます。ヴィスタリアです。

月組「I AM FROM AUSTRIA」の初日を観劇しましたので、キャストごとのファーストインプレッション的な感想を書きました。

いずれもヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちたものです。
また作品の内容に触れる部分があります。

ジョージ・エードラー/珠城りょう

四つ星ホテルの跡取り息子、ことあるごとに「フランツ・ヨーゼフ」と揶揄われるジョージ・エードラーの御曹司感、品のよさ、爽やかな好青年ぶりがたま様に似合っていました。

普段着っぽい衣裳やシャツ一のたま様がたくさん見られるのもうれしいです。

若者らしいチャラさなどが友人フェリックス・モーザー/風間柚乃とのやりとりに見えるのも微笑ましかったです。

ジョージが自分なりにホテルのこと、未来を考えて行動する青年である頼もしさもありました。

ナンバーが多くそれも難しい歌ばかりだと思ったのですが「Nix is Fix」は元気になりますし「I AM FROM AUSTRIA」は美しいメロディが沁みます。

ジョージの魅力はどこにでもいそうで絶対どこにもおいない、少女漫画の等身大のヒーロー感だと思うのですが、たま様によく似合っていて代表作の一つになるのではないでしょうか。

エマ・カーター/美園さくら

さくらちゃん、ほっそりと痩せてスタイルのよさが際立っていました。
タイトなミニスカートのワンピース、派手派手なジャージ、舞踏会の淡いピンクのドレスがゴージャス感があってとても素敵でした。

プラチナブロンド、澄ましたお顔は美しく、正直なしかめっ面やふくれっ面がキュートでした。
ムッとした表情は「雨に唄えば」でもありましたが垢ぬけて格段に美しく、魅力的な娘役さんになられたと思います。

エマはこれまで「雨に唄えば」「ON THE TOWN」と女優を夢見ている女の子の役が続いたさくらちゃんに合う役がようやく来た!と思うハリウッド女優役で、大人っぽさや大物感もありました。

社会的な経験がジョージよりも幅広いからか(故郷を飛び出したりオーディションに参加したり、ハリウッドで様々な人物と仕事をしているキャリアがあったり)、実際の年齢の設定は勉強不足でわからないのですが、ジョージよりも年上の感じが表現されていたのが好印象でした。

(実年齢が同い年やジョージが年上であったとしても社会的年齢はエマの方が大人びているのでは?と思ったのです。)

喋り方などが外国映画やドラマの吹替のようで工夫されたのかなと思いました。

「オーシャンズ11」のテス/星風まどかもそうでしたが、本当にアメリカ人(あるいはアメリカでの成功者)の感じを受けます。

地声を活かした歌唱もすばらしかったです。

リチャード・ラッティンガー/月城かなと

おかえりなさい、れいこちゃん!!
舞台に元気に帰ってきてくれて感無量です。

ノーブルな美貌のれいこちゃんがやり手であくどいマネージャーリチャードを活き活きと演じていて爽快でした。
れいこちゃんの麗しい美貌が眉をしかめたりたくらみ顔が見られて眼福でした。

ウィンナー野郎という悪態が一体何度麗しいれいこちゃんから出てきたことでしょう。
意外と楽しんでいるのでは?と思いながら観ていました。

パレードで真っ赤な羽根を背負っておりてくるお姿を見て、「月組の2番手さんなんだね」と心からの拍手を送りました。

これから2番手として月組を支え、輝き、様々な役を見せてくれるのを楽しみにしています。

ヴォルフガング・エードラー/鳳月杏

おかえりなさい、ちなつさん
月組に帰ってきてくれて本当にうれしいです。

もしもヴォルフガング役がちなつさんでなかったら「I AM FROM AUSTRIA」はずいぶんと物足りないものになっていたでしょう。

演技・歌・ダンス、なにをとってもレベルが高くしかもちなつさんにしかない魅力と色気があります。

長い手足で着こなすスーツのなんとかっこいいことか。

コミカルな演技は絶妙で、また息子ジョージ/珠城りょうへ見せる懐の深さ、背中を押す感じはきちんと父親で温かい気持ちになります。

ジョージの話を聞いて見守っている場面で、ものすごくさりげないのに滲み出るものが父親でちなつさんの演技のすごさを感じました。

ロミー/海乃美月になんだかんだ言ってベタ惚れなのもお幸せに…とこちらも温かいものが胸に灯ります。

歌は高音から低温から伸びやかでうっとりと聞き惚れましたし、フィナーレのダンスは余裕さえ感じさせ、男役の美学があふれているような色気がありました。

ロミー・エードラー/海乃美月

もう一人のブロンド美女、うみちゃんです。
ワンレングスのブロンドに落ち着いたスーツが仕事に生きる女という感じです。

初日にお会いしたブロガーさんに53歳の役だと教えていただいたのですが、うみちゃんの演技はそのくらいの年齢の女性にきちんと見える説得力がありました。

派手なダルマの美しさ、華やかさに目を奪われうみちゃんをロックオン気味で観ていました。
ショーのうみちゃんを観るのは本当に久しぶりなのでうれしかったです。

「カンパニー/BADDY」のときはちょっと心配になるくらい華奢だったのが今回のダルマ姿は健康美を連想させる感じがあり(それでもものすごーーーく細いですが)、
「カンパニー」はマラソンコーチの役でしたし、それもまた役づくりの一環できちんとコントロールされているのかなと思いました。

フィナーレの階段おりがソロで、娘役さんの一人おりはなかなか無いことですからうれしかったです。

パブロ・ガルシア/暁千星

ありちゃんの最初の出番がなかなか無くてまだかな~と思いながら観ていました。
(パブロ役で出てくる前に製菓部でバイトをしています。)

サイドの髪を刈り上げた上に刈込みの筋まで入っていて気合を感じます。
それがまたキマっているのがさすがありちゃん

デニムを履いていることもありちゃんのすばらしい手足の長さ、スタイルのよさが一層強調されていました。

南米出身とのことで一人片言のセリフなのは他の人物はドイツ語で会話をしているからということでしょうか。
(「壬生義士伝」でも感じたことですが、この外国人=片言で話すという表現が気になるのです。)

一番ふしぎなというか、自分に正直でチャーミングな人物ではないでしょうか。
パブロは強烈な魅力を放つ人物だと思うのですが、それがありちゃんのきらめくようなスター性と合っていました。

エルフィー/光月るうと仲良くなったりエマ/美園さくらの気持ちに気づくのは彼自身が心に素直でまっすぐだからこそだと思いました。
恋に落ちるときも口説くときもまっすぐでストレートでした。

フィナーレのロケットボーイの足上げがすごかったです。足も長ければ高さもピカ一でした。

フェリックス・モーザー/風間柚乃

これまで見たおだちんの役のなかでもっともふつうの人物でしたが、憎めない等身大の青年がそこにいました。

ジョージの車を借りたがったり、アンナ/叶羽時との恋がうまくいかずに落ち込んだり、トラブルを起こして慌てたりする姿は「こういう子、いるいる」と思うリアリティがあり、おだちんは何をやっても本当にうまいなあと感心するばかりです。

押せ押せのパブロ/暁千星にタジタジになっていますが、なんとなくそのまま押し切られそうな気がします。

メッシュっぽい(という表現でいいんでしょうか)金髪を短めにしてきっちりセットしているヘアスタイルがよくお似合いでかっこよかったです。

またフィナーレの男役総踊りではたま様・ちなつさんと3人で踊るところがあって、おだちんがスターさんのは承知しているのですが、驚きました。

エルフィー・シュラット/光月るう

われらがセクシー組長るうさんが女役の虚言癖?妄想癖?のある名物コンシェルジュを自由自在に演じています。

エルフィーがなにか喋ると思わずクスリと笑ってしまいますし、歌もダンスもよくてさすがです。

エアロビのシーンがあると聞いてはいましたが、まさかパブロ/暁千星とエルフィーだとは思っていなかったので意外でしたが、とっても楽しい場面でした。

グレイヘアのカツラ、メイクのセンスもさすがるうさん、舞踏会のドレス姿も美しいです。

その他のキャスト

一言ずつですが触れさせてください。

◆ミス・ツィグル/白雪さち花
インパクトがすごくて強烈です(褒めています)。
ピンクがとってもお似合いでした。

◆ライナー・ヘルガー/輝月ゆうま
ピンクがかった髪色が新鮮です。
月組でまゆぽんがセンターに立ったりソロを歌う場面があるのが楽しみなのですが、いつも「もう少し長くやってくれても」と思います。

同期のリチャード/月城かなとと銀橋での芝居があってうれしかったです。

◆ナディヤ/晴音アキ
指切りグローブっていいですよね。

男役さんがつけていても娘役さんがつけていても。
とはいえ娘役さんがつけることは中々無いように思うのでぐっときました。

エトワールがはーちゃんで感動、美声にうっとりでした。

◆フーゴ/佳城葵
月組でいつも楽しみにしているやすくん、今回も上手でした。

パパラッチのやさぐれ感、しみったれた感、図々しさがしっかり表現されていて、セリフがなくても目で追っていることが多かったです。

◆セルヴス/ヴォルフガングの影/蘭尚樹
まおまお得意のダンスが光っていました。

ホテルのクリーニング部セルヴスは大勢の中にいても光るものがあり、シャープな動きが美しいです。

そしてヴォルフガングの影の丁寧で叙情的なダンスは雰囲気があって物語を感じさせてくれました。

フィナーレの男役さんたちの銀橋渡りに入っているのもうれしいのと同時に、放っている雰囲気、見せ方に特別なものを感じました。

それはまおまおがお手伝いをしていたり大好きだった美弥るりかちゃんに通じるもの、残り香のような気配で、るりかちゃんの男役がこうして受け継がれていくことがとてもうれしかったです。

◆シュティーグル/きよら羽龍
製菓部のかわいい衣裳で目立つ役なのですが、おはねちゃんの舞台化粧がぐっときれいになったと思いました。

以上、初日のファーストインプレッション的感想でした。
観劇してまた気がついたことがあれば記事にしたいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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