おはようございます。
ヴィスタリアはスカステ難民なのでオンデマンドを契約しているのですが、今月は宙組「エリザベート」が配信されました。
月組「エリザベート」でエリザベート熱が高まっていることもあっていそいそと見ました。
宝塚で10回上演されてうち、ヴィスタリアはすべてを見てはいません。
見たのは雪(一路真輝)・星(麻路さき)・宙(姿月あさと)・花(春野寿美礼)・月(彩輝なお)、そして宙(朝夏まなと)、いずれも映像です。
もっとも好きなのが星組で、当時の星組が好きだったというのもありますが、ヴィデオテープが擦り切れるほど見ました。
当時の星組はコスチュームものに強くて、雪組から星組に移したとき、キャストがドンピシャにはまったのも印象的でした。
目次
宙組は磨きこまれたクリスタル
舞台全体の印象を一言でいうなら、宙組「エリザベート」はキラキラと輝くクリスタルだと思いました。
美しくカットされて磨かれた、小さな中に輝きが宿ったクリスタルです。
キャストそれぞれがしっかりと演技を磨き上げている好演からヴィスタリアはそう感じました。
ただ映像なので実際の舞台は違ったかもしれませんが、やや小さくまとまっているといいますか、もう少し思い切ってもおもしろかったかな?と感じもしました。
トート/朝夏まなと
まあ様のトートは冷たさと妖しさ、支配している強さを感じました。
本編が始まっての登場シーン、シシィとの遭遇のせり上がってくるときのまあ様トートの表情がとてもいいです。
支配する力はありながらもやや投げやりで、諦観をにじませています。
綱渡りから落ちたシシィの命を奪おうと口づけをしようとするときの乱暴な仕草、身長差から、シシィがまだ少女なのがよくわかります。
シシィの服のシルエットが子どもに見えるようよく計算されているのも効果的です。
ここはときめいてドキドキ…ではなく「まあ様、それはだめよー。相手は子どもよー」とハラハラドキドキしながら見ました。
ドキドキしたのは、「最後のダンス」でエリザベートを抱き寄せて匂いを胸いっぱいに吸いこむようにするところ。
そしてドクトルになってエリザベートの診察をしながら襟元をあけていってリボンタイをほどくところ。
(ここの「死ねばいい!!」の迫力もすごかったです)
まあ様の妖しさと色気にドキドキしちゃいました。
まあ様のトートは黄泉の帝王として支配している強さがあると思ったのは、エルマーやルドルフを操っているのが伝わってきたからです。
「ゆけ、ウィーンへ」というまあ様トートの声の妖しさは、そそのかしているのではなく、思い通りに動かすパワーが放たれていると感じました。
歌はまとめていますが「最後のダンス」で声がひっくり返ってしまったのが残念でした。
ヘアスタイルはいろいろ評価がわかれたかもしれませんが、ヴィスタリアはまあ様はストレートヘアでよかったような気がします。
フェイスラインが丸いのでウェーブだと女性らしさが出てしまうように思うのですが、これは好き好きでしょうか。
エリザベート/実咲凜音
不可はないのです。
しかし可かといわれると素直にそうとは言えないとヴィスタリアは思いました。
役作り的にはシシィ時代がやや長いと思いました。
フランツにプロポーズされても結婚式を挙げてもまだシシィのままで、翌朝ゾフィーに詰め寄られてようやくシシィ時代が終わるように見えました。
それでもよいのですが、もう少し変化があってもよかったかなとヴィスタリアは思います。
あと演技の表情で、目を見開いたびっくりした表情が多いのが気になりました。
「最後のダンス」でトートと再会して、歌い始めたトートを見るときのきょとーんとした顔ですとか、バートイシュルでもずっと目を見開いて驚いた顔をしているように見えました。
田舎娘らしくはあるのかもしれないけれど。
1幕はよかったのですが2幕はときどき物足りなさを感じました。
皇后、一人で生きることを選び、美貌でそれを勝ち取った威厳や高貴さをもっと打ち出してほしかったように思います。
フランツ・ヨーゼフ/真風涼帆
整ったお顔立ち、まとっている高貴な雰囲気が血筋と育ちのよさを感じさせます。
鷹揚にかまえた余裕はただ一人の皇帝であるというフランスのバックボーンが想像できます。
エリザベートとゾフィーの間に挟まれて、「わかったかい?」とエリザベートを諭す声にもフランツの育ちの良さが出ています。
ヴィスタリアがまかぜくんのフランツでツボだったのは、バートイシュルでエリザベートの手を取って見つめる時の恋をしているときの表情です。
そんな熱っぽい目で見られたらエリザベートじゃなくたって好きになっちゃいますよ。
そしてマダム・ヴォルフの宅配で、茫然としながらマダムのコレクションを見ていたのが最後にマデレーネを自分からぐいっと引き寄せてキスしているところもツボでした。
まかぜくんは歌に安心感がありますし声に厚みがあっていいとヴィスタリアは思いました。
ルキーニ/愛月ひかる
愛ちゃんの声がこのルキーニには活かされているように感じました。
うまく言えないのですが、なまりというかルキーニのパーソナリティを表現しているように思いました。
愛ちゃんが自分を活かせて愛ちゃんだけのルキーニを作り上げているのだから当然といえば当然ですが。
ときどき見せる片目をゆがめるような表情が印象的でした。
愛ちゃんはすごくかっこいいですが、ルキーニはかっこよすぎないよう髪型や髭など工夫していると思いました。
それにしても愛ちゃん、なんというスタイルのよさなんでしょう。
ルキーニの囚人服でも手足が長いのがよくわかります。舞台映えしますね。
ゾフィー/純矢ちとせ
オープニングでゾフィーのあの濃い口紅を塗っていないとすごく若く見えて、美しい人だとあらためて思います。
こういう美人ならではのゾフィーもありですね。
髪型などよく考えられていると思います。
迫力はありながらもあくまでも美人で、「女としてこうするのが当然」と「皇帝は、皇后は、皇太后はこうするのが当然」という信念のようなものがあってその通りにやるのが当たり前だとゾフィーは思っているのが伝わってきました。
たとえば結婚式翌朝ののシシィに「馬鹿げたこと言わないで」と大げさでなく言うところや葉の黄ばみなどを指摘するところなど。
ルドヴィカと一緒にいると、姉妹の格差みたいなものが伝わってきます。妹を明らかに下に見ていますよね。
ルドルフ/桜木みなと
お顔がほんとうに美しくて王子様という感じがします。
ハンガリー蜂起の場面、死の場面でダンスが光っていると思いました。
エルマー/澄輝さやと
めちゃくちゃいい!ノーブルで美しくてたまりません。
このエリザベートのなかでヴィスタリアはあっきーさんのエルマーが一番好きかもしれません。
エルマーが出ているとエルマーばかり見てしまいました。
ハンガリー独立を求めて苦悩して、眉間に皺をよせたり怒りに震えているあっきーさんが好きなのかもしれません。
「不滅の棘」をもう一度見たくなりました。
マダム・ヴォルフ/伶美うらら
美しさに関してはなにもいうことはありません。
しかし歌は…音は外していないのですが声が出ていません。もうちょっとがんばってほしかったです。
この場面のコレクションたちのバレエのうまさ、スタイルのよさには目を見張るものがあります。
初演から20年…衣裳が変わらないので生徒さんたちの美貌とダンスがレベルアップしているのがよくわかります。
ヴィンディッシュ嬢/星吹彩翔
精神を病んだあやうさより、ピリピリとした怒りを感じさせる演技でした。
こういうアプローチもあるのかと新鮮に思いました。
エリザベートと扇を交換したあと、うれしそうに広げてポーズをとって見せる笑みが印象的でした。
彼女はどんな美しい世界を見ているのかしら…と想像したくなります。
マックス公爵/悠真倫
立ち姿が父親、この年代の男性にちゃんと見えるのがいいですね。
身だしなみに気をつかう洒落っ気があるマックスだと思いました。
ルドヴィカ/美風舞良
「妃になりますの」工夫が光っていると思いました。
ラウシャー大司教/天玲美音
十字を切る仕草など考えましたね。個性的で、また美貌でも目立っていました。
これが退団だったとは念すぎます。
書いていたらますますエリザ熱が高まってきたヴィスタリアでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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