こんばんは、ヴィスタリアです。
雪組大劇場「ファントム」ライブビューイングの感想の続きです。
今回は各キャストについて書いてみます。
ここに書くことはヴィスタリアという一個人の独断と偏見、偏愛に満ちた感想です。
「こういう感じ方をする人が書いているのね」と受け止めていただければと思います。
なおヴィスタリアはこのライブビューイング(LV)が「ファントム」初見という初心者で、先入観を持ちたくないと思い、ほとんど予習をせずに見ました。
いつもの記事以上に気づいていないことがあるかもしれません。
目次
だいきほの圧巻の「ファントム」これは本当に宝塚なのか
だいもん(望海風斗)のファントム、エリックもまあやちゃん(真彩希帆)のクリスティーヌも本当にすごかったです。
これはたしかに宝塚歌劇のすばらしい舞台だけれど本当に宝塚なんだろうかと、だいきほの演技・歌・ダンスのレベルが高くて圧倒されました。
いろんな方がいろんなところで書かれているように「宝塚のレベルを超えている」と思いました。
歌のレベルで言えば宝塚より外部の舞台の方が高いとこれまでの観劇経験で思うのですが、外部の舞台だと心がまったく伝わってこない、技術だけで聞かされることがあり、興ざめに感じることがあります。
宝塚は歌のレベルが多少劣ろうとも心、あるいは一生懸命やろうとしている思いが伝わってきます。
どちらがいいのかは人それぞれだと思いますがヴィスタリアは後者の方が好きです(だからヅカファンしているのかもしれません)。
それがだいきほは歌は外部の舞台でもこれほどの歌い手はいるだろうかと思うほどレベルが高い上に思いがビシビシ伝わってくるのです。
こんな舞台は見たことがないかもしれません。
エリックが、クリスティーヌがいまここで本当に歌っているーー 歌・美声がモチーフになっているこの「ファントム」という作品がだいきほという最高のコンビで生命を吹き込まれたこと、これは奇跡だと思いました。
だいもんのエリックは、なんといえばいいのでしょう。
制作発表でだいもんなこんなコメントをされていました。
いつか、できることなら主人公エリック(ファントム)を演じて彼の心の中をのぞいてみたいと思っていました。
だいもん、エリックの心を見せてくれてありがとう、すばらしい演技と歌で彼の心を伝えてくれてありがとう、そんな気持ちです。
人は肉体の実年齢、精神年齢、そして社会生活における年齢があるとなにかで読んだことがあります。
エリックの実年齢は青年だと思いますが、社会的な年齢は幼子のままで、精神年齢はまだ少年のままなのではないか、だいもんの演技を見ていてそんなことを考えました。
エリックは透明なクリスタルのように脆く、繊細で傷つきやすい一方で、炎のような激しさを秘めており怒りっぽくて独占欲が強い人物だと思いました。
エリックがあまりに過酷な運命で生きてきたという事情があるにせよ、“生き辛さ”を抱えている男性、そんなふうにヴィスタリアは感じました。
エリックの生き辛さ、激しさ、慟哭を だいもんが命を燃やすような歌と演技で伝えてくれたのですからシビれてしまいました。
東京で客席からもう一度エリックの心の中を見せてもらえるのが楽しみです。
まあやちゃんのクリスティーヌは純真さ、素直なピュアさが光っていると思いました。
これだけの歌がうまくてカルロッタに衣装係にさせられても「オペラ座にいられるだけで幸せ」と心から喜んでいる素直さが、エリックに自分から「お顔を見せて」と言いながら酷い態度を取ってしまうという人間味に繋がっているのではないでしょうか。
だいもんが記者発表で言っていたようにすでにすばらしい歌声で先生に指導する余地なんてあるのかしら?と思うのですが、このあたりも「クリスティーヌは素直で純粋すぎるから、洗練されたオペラ座らしい歌い方を教えているのかな」とヴィスタリアは解釈していました。
まあやちゃんの金髪のおさげが凝っていてとてもかわいかったです。
どの衣裳もすてきでしたが、オペラ座を訪ねたときの緑色のちょっと足元が見えるドレスが最高にかわいかったです。
この丈、珍しいように思いました。
ジェラルド・キャリエール/彩風咲奈
キャリエールは難しい役だということだけは聞きかじっていたので、さきちゃんがどんなふうに演じるのか、恐れずに言うのなら心配していました。
というのもさきちゃんの芝居を見ていると、まだ役になりきれていないくて「さきちゃんが◯◯役をやっている」のを見ていると感じることがあるからです。
しかし今回、心配は余計だったと、「さきちゃんはがんばっていて進歩している」とキャリエールの演技を見て思いました。
表情、立ち姿、仕草など相当研究しているのではないでしょうか。
さきちゃんの美貌とすばらしいスタイルでありながら 中年の男性の悲哀のような雰囲気をまとっているのを感じました。
特に2幕のエリックとの銀橋の歌の場面は、 これまで父親と告げはしなかったもののエリックを生き甲斐として大切に思っている気持ちが伝わってきました。
この場面の歌もよかったです。
お稽古に、芸事に精進したんだなあ、とさきちゃん心のこもった歌と努力に心の中で(映画館で音は立てられないので)拍手を送りました。
だいもんと堂々と渡り合い対峙し、立派な2番手でした。
エリックが捕らえられてからの場面も印象に残りました。
「生け捕り」という言葉に動揺しキャリエールの心が引き裂かれそうなほど傷ついているのが伝わってきました。
とはいえ気になるところもありました。
登場したときの第一声が意味が取りにくかったのと、クリスティーヌに過去の出来事を語るところが一本調子で「さきちゃんがキャリエールの役で昔のことを語っている」ように見えるときがありました。
フィナーレになると画面のなかのさきちゃんに自然と目が吸い寄せられました。
なんというかっこよさでしょう。
特に銀色(?)の飾りのついた燕尾服がすてきでした。
今夏に「Gato Bonito!!」を観劇したときもそうだったのですが、 ショーではさきちゃんの華やかさ、オーラ、スタイル、美しいダンスが輝いていて、気がつくとさきちゃんを見ているのです。
さきちゃん1人発光しているようにヴィスタリアには見えています(目がおかしいのかな)。
さきちゃんはルックス、華、ダンスはすばらしいものを持ったスターさんですが、この先雪組(かどうかはわかりませんが組替えがないと仮定して)でトップスターになるとしたら、芝居はまだやるべきことが多いように思います。
しかし今回これだけ歌と芝居も数段進歩しているのを見て、これからの成長に期待できると確信しました。
また、さきちゃんは非常に真面目に芸事に取り組まれているのではないかと今回の歌の進化と、宝塚GRAPH12月号の音楽学校の思い出の記事から思っているんです。
予科生のときは分担さんのことだけ考えて過ごして、本科生のときは試験のことだけ考えて過ごしていた。
首席入団したさきちゃんらしいコメントだと思いますし、さきちゃんは自分のできないこと、やるべきことを伸ばそうと努力されているのだと今回のLVで感じました。
東京宝塚劇場で観劇するときにさきちゃんはきっともっと進化されていることでしょう。
楽しみにしています。
フィリップ・ドゥ・シャンドン伯爵/朝美絢
あーさ、美しくモテモテで資産を持つシャンドン伯爵の華やかさにぴったりでした。
歌も安定していてよかったです。
特に印象的だったのがエリックが亡くなってからクリスティーヌにかける言葉を失ったときの表情です。
なんと悲しく美しく、多くを語っている表情でしょう。
言葉を発し喋るだけが演技ではないと、あーさの雄弁な表情が教えてくれました。
クリスティーヌの心はエリックと共にあり、いまはどんな言葉をかけても彼女の心には届かない、そんなことが伝わってくるシャンドン伯爵でした。
アラン・ショレ/彩凪翔
凪様の演技巧者っぷり、実力をあらためて感じたショレ役でした。
「ひかりふる路」「凱旋門」そして今作「ファントム」、いずれも役を的確かつ緻密に演じていると感じます。
凪様の舞台を見ているとまず外見の作り込みからして好きだなあとヴィスタリアは思います。
ショレ役の派手なやや品のない(褒めています)雰囲気が髪型、衣裳、派手派手な指輪によく出ていました。
恐妻家だけれど妻カルロッタラブなのも伝わってきて、投げキスのシーンなど笑わせてくれて和みました。
それがフィナーレになると男役の色気があふれていてドキドキしちゃいました。
あのねっっっ……とり濃厚ウィンク、すごかったです。
しかも左右でウィンクされていましたよね。
劇場でオペラだとこれほどアップでは見られませんからLV最高!と大興奮でした。
すっごい男役芸を見せてくれてありがとうございます。
カルロッタ/舞咲りん
ヒメさんの大熱演に心からの拍手を送りたいです。
カルロッタは非常に難しい役だと思うのです。
プリマドンナであり歌もたくさんあるけれど、エリックに歌をけちょんけちょんに言われるくらいですからうまく歌いすぎてもいけない。
コミカルで笑いを取れる要素もあり演技力も求められる。
そしてやりすぎるとどキツくなってしまう。
そんな役ではないでしょうか。
ヒメさんは演技はもちろんのこと、歌も「カルロッタとしての歌唱」を研究して歌っていたと思いました。
セルジョ、若かりし頃のキャリエール/永久輝せあ
セルジョのひとこちゃんが劇中劇「カルメン」で白い衣裳で踊っていたとき、 引きの映像でも一際目立っていて「スターさんだなあ」と思いました。
アップにならなくてもオペラを使わなくても美しく輝いているのがわかりましたし、勢いを感じました。
ベラドーヴァ/朝月希和
ひらめちゃん、可憐でかわいらしかったです。
涙が頰に光っているのが見えて、もらい泣きしてしまいました。
これはひらめちゃんのせいではありませんけれど、声がまあやちゃんのクリスティーヌと似ている歌姫役というのは現実問題として難しいのではないでしょうか。
ルドゥ警部/真那春人
まなはるくん、とってもかっこよかったです。
手を上げ下げする動作が決まっていました。
従者たち
1人ひとりお名前を挙げられなくてごめんなさい。
LVの画面ではしっかり見られたり見られなかったりしたのですが、ファントムと一緒に登場したときから 従者たちがものすごい気迫を込めて踊っているのがわかりました。
まるで空気を切り裂くようでした。
娘役さんが男装しているのも印象的でかっこいいよかったです。
従者たちがどのように踊り動いているのか、劇場で観劇するときしっかり注目したいです。
思いのままに書いたら長くなってしまいました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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