おはようございます。ヴィスタリアです。
2022年は年末に衝撃的な報道があり心を痛めている方も多いここと思います。
が、観劇納めもして宝塚歌劇の公演も終わったことですし2022年もヅカバナのヅカデミー賞を勝手に選んで勝手に表彰したいと思います。
楽しいことを考えたいし宝塚歌劇の作品、生徒さんへの愛を語りたい!という思いで更新します。
年末の忙しない時期ですがおつきあいいただけましたら幸いです。
2022年の宝塚歌劇を振り返る ヅカバナのヅカデミー賞
エントリー作品は劇場、配信で見た以下の作品です。
自分が観劇した順番に並んでいます↓
花組「元禄バロックロック/The Fascination!」
星組「ザ・ジェントル・ライアー」
月組「今夜、ロマンス劇場で/FULL SWING!」
星組「王家に捧ぐ歌」配信
雪組「夢介千両みやげ/Sensational!」
花組「TOP HAT」
宙組「NEVER SAY GOODBYE」
花組「冬霞の巴里」
月組「ブエノスアイレスの風」
花組「巡礼の年/Fashionable Empire」
宙組「カルト・ワイン」
星組「めぐり会いは再び/Gran Cantante!!」
月組「グレート・ギャツビー」
星組「ベアタ・ベアトリクス」配信
雪組「蒼穹の昴」
花組「殉情」
花組「フィレンツに燃える/Fashionable Empire」
宙組「HiGH&LOW/Capricciosa!!」
月組「ELPIDIO」
月組「ブラック・ジャック/FULL SWING!」
そして表彰部門はこちらです↓
作品賞(芝居)
作品賞(ショー)
主演男役賞
主演娘役賞
助演男役賞
助演娘役賞
毎年恒例となってきました。
なおいずれもヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた基準で選んでいます。
作品賞(芝居)
本公演は月組「グレート・ギャツビー」です。
原作がいい上に小池先生で、VISA協賛もついて衣装も装置も凝っていて、いいに決まっているのですが、
それでもすばらしい1本物で見応えがあり、深い感動と「宝塚歌劇を見た」という満足感に満たされました。
しかも結末の小池先生のアレンジの仕方に宝塚歌劇化することでしかできものがあると思わせてくれて、これに泣かされました。
ロマンチックで、優しくて、ジェイ・ギャツビーをある意味において「救った」、夢を見させてくれたのだと思います。
雪組「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」もそうですが小池先生はミュージカル化のみならずこうしたロマンチシズムの持ち込み方が巧いのだと強く感じました。
別箱公演は花組「冬霞の巴里」を選びました。
宙組「カルト・ワイン」と悩みに悩みましたが、
一層劇場という閉じられた空間での観劇体験としての歓びが強かったと感じたので「冬霞の巴里」を選びました。
また主役のひとこちゃん(永久輝せあ)、みさきちゃん(星空美咲)をはじめ、主要な役から脇役まで生徒さんの新たな魅力を大いに引き出していたのも受賞理由です。
ところで受賞作には選びませんでしたが、2022年は例外として、2つの賞をどうしても贈りたいので贈らせてください。
1つ目は再演賞。です。
大好きな正塚先生の
「ブエノスアイレス風」
「ブラック・ジャック 危険な賭け」
がいずれも月組で再演されたことが大変うれしく、また質の高い作品であったことも2022年の大きなトピックです。
「ブエノスアイレスの風」はリカさん(紫吹淳)の初演を観劇しており大好きで、再演を待ち望んでいました。
ありちゃん(暁千星)のニコラスがめちゃくちゃかっこよくて、男役くさくて、
おだちん(風間柚乃)のリカルドが巧すぎてあまりにもリカルドで、
ストーリーも名曲「ヴィエント・デ・ブエノスアイレス」も沁みました。
2023年は花組「二人だけの戦場」再演が発表になっておりこちらも楽しみにしています。
2つ目は神回賞です。
なんだそりゃ?というネーミングですが、同じ公演を何度も観劇したりしていると神回に出会うことがあります。
一度の観劇でもあまりにすごい舞台で「これは神回だ」と思うこともあります。
前者ですが、花組「殉情」(主演 帆純まひろ)の前楽があまりにも神回だったんです。
なぜ映像に残るのが千秋楽だったのか…と残念に思うくらい(千秋楽もすばらしかったですが)、
前楽の完成度、入り混み具合、ここに「春琴抄」の世界があるというのがすごくて忘れられないので特別賞としました。
作品賞(ショー)
芝居作品と打って変わってなかなか決められませんでした。
1本物の本公演が減ってショーの演出家の先生が登板が増えているからか、ショーのマンネリ化、画一化が拭えないというのが正直な印象です。
著作権の関係か曲も聞いたことのあるものが多いですし場面構成もかなり定型化していて、
ヅカファンとしてマンネリを求めている部分ないとは言い切れませんが、ショーはもっと自由になれるのでは…と思ったりします。
スカイステージで昔のショーを見ると今のように形式が定まっておらずそれはそれでおもしろいですし、
定型化を逆手に取った月組「BADDY」という名作だってあります。
2023年は新しいショーに出会えることに期待しています。
というわけで今年は該当なしにすべきか悩んだのですが、花組「The Fascination!」を選びました。
花組100周年記念の作品でVISAのスポンサー付きで新調のお衣装も美しく、品があって、通常のショーよりも上演時間が長く気合が入っていました。
なつめさん(大浦みずき)の「ピアノ・ファンタジィ」のリバイバル、
名曲「心の翼」の合唱には涙を流さずにいられませんでした。
次点に月組「FULL SWING!」を選びました。
三木先生の久しぶりの本公演ショー、ジャズをテーマにした大人っぽい雰囲気がれいこうみ(月城かなと・海乃美月)の月組にぴたりとはまっていたことがその理由です。
ストーリー仕立ての場面もありがちかと思いきや一味違ってそれがまたよかったですし、主題歌の歌詞も吉田優子先生のメロディ好きでした。
ときどきショーで歌詞を聞いていると眩暈がすることがあるのですが(どの先生かは言いませんが)、
Shooting the Moon 愛の矢をつがえよう
れいこちゃんの歌うこのフレーズが大好きでした。
主演男役賞
これは満場一致で(←自分の中で)月組トップスター月城かなとしかいないと決まりました。
「今夜、ロマンス劇場で」
「グレート・ギャツビー」
「ブラック・ジャック 危険な賭け」
観劇できたいずれの作品も芝居が巧く、役としての感情のこもった歌唱がすばらしく、大いに心を揺さぶられて泣きました。
正統派の大変な美貌な持ち主のれいこちゃんですが、
「今夜、ロマンス劇場で」は冴えない助監督
「グレート・ギャツビー」は貧しさからのし上がったアウトロー
「ブラック・ジャック」は顔に傷のある無免許医
いずれの役も正統派の白い役ではないのがまたギャップがあって魅力的です。
それに役の幅、作品の幅も広くて男役として充実の時を迎えているのを感じます。
「グレート・ギャツビー」はれいこちゃんの代表作となるようなかっこよさでしたが、
個人的にはブラック・ジャックの再演が初演のヤンさん(安寿ミラ)ともまっつさん(未涼亜希)とも違う、原作の魅力を残しながられいこちゃんにしか演じられないBJだったのが堪りませんでした。
相手役のうみちゃん(海乃美月)と芝居の相性がいいことも作品世界を一層深く味わいものにし、ぜひ今の月組公演を観たいと観劇欲を掻き立てられます。
個人的な事情ですが都合がつけられず「Rain of Netune」が観劇できなかったのは残念でした。
主演娘役賞
2022年は新しい娘役を感じさせてくれたお2人を選びました。
1人目はなこちゃん(舞空瞳)、受賞理由は「王家に捧ぐ歌」のアイーダです。
このブログをご覧の方はご存知かと思いますが自分はみほちゃん(有沙瞳)が大好きで、アムネリスをとても楽しみにしていました。
取れていたチケットはすべて公演中止となりライブビューイングでしか見ることは叶いませんでしたが、アムネリスはもちろんのこと
なこちゃんのアイーダに新境地を見たと思い、心を揺さぶられました
「俺は妹を、アイーダをわかっていなかった」という兄の台詞から始まるこの物語は、戦争をしながら領土を獲得し生存していくのが当然の世界で
「争いは新たな争いを生むだけ」という信念を持ったアイーダという新しい女の物語なのだと、なこちゃんの渾身の演技と歌唱が思わせてくれました。
新しい衣装はどうなのかな?と正直思いはしたものの、コーンヘアのなこちゃんの超絶スタイルもまた新しさを感じさせる魅力的な、重要な要素でした。
2人目はかのちゃん(潤花)、受賞理由は「HiGH&LOW」のカナです。
「HiGH&LOW」は娘役さんの出番が多いだけでなく、じゅっちゃん(天彩峰里)率いるレディースの苺美瑠狂が対立するナタデココと立ち回りを派手に展開し、
窮地に陥っている男たちを救うという、新しい娘役像が鮮烈でした。
添え物でもただ守られるだけの存在でもない娘役たちが男役を救うのは宝塚歌劇において革命的なことだと思いますし、
原作では苺美瑠狂は戦って男たちを助けたりはせずおにぎりを作って待っているんだそうですね(twitterで原作をご覧の方の書込みを見ました)。
宝塚歌劇のみならず原作の、ひいては今の時代の女性の在り方、描き方がアップデートされているのは宝塚歌劇化の大きな意義に他ならないと思っています。
トップスターに向かって「君」と呼びかけタメ口で話しかけて振り回すというのは新しいトップ娘役の役どころでしょう。
それにトップスターを、ストーリーを動かす真ん中にかのちゃんのカナが溌溂と輝いていてとても魅力的でした。
助演男役賞と助演娘役賞
助演男役賞はキキちゃん(芹香斗亜)。
「NEVER SAY GOODBEY」の「闘牛を捨ててもいい」と歌うヴィセント・ロメロの強い決意がうまくて、かっこよすぎました。
「HiGH&LOW」のROCKYがうますぎてかっこよすぎて、そして「この人、たぶんきっとおもしろい人だ」と思わせる魅力に溢れていましたし、
ショーでの歌唱力、表現力にも引き込まれました。
そして助演娘役賞には2人の娘役さんを選びました。
1人目は2年連続となりますがみほちゃんを選ばないわけにはいきません。
「王家に捧ぐ歌」のアムネリスの美貌、歌、迫力、プライドと哀しみ、何をとってもすばらしかったです。
こんなアムネリスが見たかった、こんな有沙瞳ちゃんが見たかった、の両方が叶った公演でした。
2人目は退団された音くり寿ちゃんに。
「TOP HAT」のマッジの芝居、歌がすばらしかったこと、
「The Fascination!」で見せたこれぞ娘役という品と美しさ、楽しそうに歌い踊るすばらしさが受賞理由です。
最後に、助演男役賞と助演娘役賞の両方をあーちゃん(留依蒔世)に贈りたいと思います。
助演男役賞は「カルト・ワイン」のチャポが、いえチャポ…さんが(←ずんちゃん(桜木みなと)の台詞より)あまりにもかっこよすぎました。
悪くて怖くて派手で、誰もができる役ではない、男役のかっこよさの最高峰でしょう。
助演娘役賞は「NEVER SAY GOODBYE」のラ・パッショナリアのエネルギーが迸る歌唱がすばらしかったことが受賞の理由です。
ご本人が宝塚GRAPHの退団インタビューで「女役もやりたいと思っていた」とお話されていたり、
スカイステージのさよならインタビューで「男役では自分のすべてのキーを使えないけれど女役ならできる」とのが印象的でした。
以上、2022年のヅカバナのヅカデミー賞でした。
この一年、たくさんのすばらしい宝塚歌劇の作品と出会えて幸せでした。
来年も自分なりのペースで宝塚歌劇を観劇し愛していきたいです。
2022年も拙ブログを読んでいただきありがとうございました。
来年もどうぞよろしくお願いします。
皆様が素敵な新年を迎えられますように。
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