おはようございます。ヴィスタリアです。
花組「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」の感想から少し間が空いてしまいましたがショー「シャルム!」を観劇した感想です。
いずれもヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちたもので、1度観劇しただけですのでファーストインプレッション的なものです。
お芝居が植田景子先生ワールドで???だったので「シャルム!」にホッとしました。
目次
「シャルム!」はオーソドックスな王道ショー
ショーはドはまりするときと琴線に触れないときの落差が大きいのですが、「シャルム!」はオーソドックスな王道ショーで安心して観ることができました。
主題歌がクセになる、帰り道に思わず「シャルム!シャルム!」と呪文のように唱えたくなるのもよかったです。
幾度となく宝塚歌劇で描かれモチーフとなっているパリですが、パリの地下都市をテーマにするというのは新鮮でおもしろいアイデアだと思いました。
通し役の少女フルフル/華優希がステッキを振ってカタフィルたち/優波慧・綺城ひか理・飛龍つかさ・帆純まひろ・聖乃あすか・一之瀬航季を地底の世界へと誘うところから始まります。
フルフルは思わぬところから登場しますが、昔の宝塚でもこういうのあった気がしてなんだか懐かしくなりました。
Prologue 孔雀一夜
フルフル/華優希に誘われてマンホールから地下の世界へと入っていたカタフィル/聖乃あすかがマンホールをしめると、
舞台奥のセットの大きな、豪華な円盤状のものが回転して「ああ、地底の世界がいま舞台いっぱいに展開されているんだ」とわかるのは宝塚歌劇の凝った舞台装置、舞台芸術の醍醐味のよい一例だと思いました。
最近は凝った映像が映し出される装置に目を瞠ることが多いですが、こういうセットの転換を見ると舞台を見ている気分が高まります。
ナウオンでもお話がありましたが、シャルム/明日海りおが登場すると「キタキタキター!」と最高にテンションが上がります。
アダルトで艶っぽい雰囲気、男役の色香を思いっきり発散しているみりおちゃんのかっこよさに息をのみました。
自由自在に歌う歌も最高でシビれました。
黒と紫、ピンク~赤を合わせた衣裳は「BEAUTIFUL GARDEN」と重なりますが、このときは正直「ちょっとやりすぎのような…」と衣裳デザイン、色合いについて思ったのですが、今作の方が大人っぽさと品があって好きです。
黒の羽根扇を合わせたのもいまの大人の男役の魅力があるみりおちゃんの花組に合っていると思いました。
「A Fairy Tale-青い薔薇の精-」に続いてえみちぃさん(乙羽映見)の華やかな美しさ、歌に「本当にやめちゃうの?」と切なくなりました。
男役さんと組んで踊る娘役さんが可憐でかわいいなあと思ったら音くり寿ちゃんでした。
Cabaret Souterraine 地底の歓び
支配人あきらさん(瀬戸かずや)が経営しているかわいい踊り子さんたちがいっぱいのクラブ。
タコ足ドレスで溌溂と踊るしろきみちゃん(城妃美伶)がもうかわいくてかわいくて。
どなたかがブログで「退団するとき生徒さんの美しさが爆発する」と書いていて膝を打ったことがあるのですが、まさにしろきみちゃんのキュートさ、美しさ、みずみずしいエネルギーが弾けていました。
お見事な連続側転は「そこに牧野つくしがいる」と思った「花より男子」の大熱演を思い出させてくれました。
あきらさんは真っ赤なド派手な変わり燕尾がさらっと似合い、ちょっぴりいかがわしさもあって、この支配人目当てで通ってくるお客さんも多そうです。
Nuit Jungle 美しき男
百花沙里先生の振付ですが、「ESTRELLAS」の「Back!」に続いて先生の代表作になるような名場面ではないでしょうか。
アコーディオンの音色に合わせてスーツで踊りまくる花男たちがかっこよくて、歌が無い分、音と動きに研ぎ澄まされるように集中して、客席で息をつめるように見入りました。
音楽が高まりテンポが高まっていくのにつれて高揚していくのを感じました。
みりおちゃんとれいちゃん(柚香光)が2人で踊るところは特に緊張感がすごかったです。
動きの揃った群舞で見ごたえがありましたし、中でもマイティー(水美舞斗)の圧さえ感じるような、軸のしっかりしたダンスには目が吸い寄せられます。
A Soirēe 地底の舞踏会
中詰は軍服で舞踏会というちょっと変わった趣向です。
始まりがマイティーとしろきみちゃんの銀橋でのデュエットで、お芝居でかなわなかったハッピーエンドを見させてもらっている気持ちになりました。
曲に「花のワルツ」が使われているのは季節感がちょっと気になりましたが華やかな雰囲気でよかったですし、まあそこまで気にしていたらネタがなくなってしまいますね。
Rēsistance 地底の恋人~Espoir 明日へ~La Mer 光
「Rēsistance 地底の恋人」はれいちゃんのラフなヘアスタイルと殺伐とした荒んだ男の雰囲気、指切りグローブにグッときました。
好きなアイテムの一つです。
「Espoir 明日へ」は映画「ひまわり」の名曲でマイティーがホッティー(帆純まひろ)、あすかちゃん(聖乃あすか)と踊ります。
ここはヴィスタリアの永遠の贔屓ヤンさん(安寿ミラ)の振付で、独特の流れのようなものに一目見て「ああ、ヤンさんの振付だ」と思いました。
ヤンさんは振付の際に「その生徒さんが一番素敵に見える振付を考える」とインタビューなどでよくお話されているのですが、
マイティーがヤンさんの振付を踊るときはマイティーのダンスがかっこよくて美しいのはもちろんのこと、マイティーが振付家ANJUの世界を深く汲んで体現してくれているのを感じます。
ヤンさんはご自身が踊ることについて「年齢によってだんだん体は動かなくなっていく」と謙遜してお話されるのですが、
もしもヤンさんがいま肉体の時間を戻せるのならマイティーのような踊りをされるのではないか……と思うくらいです。
(すみません、ヴィスタリアのものすごく勝手な妄想です。)
この場面に限らず今回のショーでマイティーの跳躍は空を翔んでいるし回転は空気を切り裂くのだとマイティーのダンスのすばらしさをあらためて実感しました。
「La Mer 光」の真っ白い衣裳でみりおちゃんを中心に、いまの花組の空気感が伝わってきてあたたかい気持ちになりました。
Epilogue パリ午前七時~Finale~Grand Parade
フィナーレはあきらさんの「聞かせてよ、愛の言葉を」から始まります。
あきらさんのかっこよさと紡ぐ世界が沁みました。
ヤンさんの渾身の振付の黒燕尾は途中から泣いてしまいました。
ヤンさんがいた花組はいまこんなに素敵な組になってすばらしいトップスターが率いているんですね。
30人それぞれに違った振りをつけてみりおちゃんの過去の作品へのオマージュにしているアイデアが愛があってすばらしいですし、
一人ひとりがみりおちゃんのことを思って踊っているのだと思うともうダメで涙々でした。
男役さんたちがずらりと一列に並んで囲まれるようにしてみりおちゃんが一人で踊るとき、男役さんたちが一人ひとり敬愛と尊敬を伝えるようにお辞儀するところもジーンとしました。
そしてみりおちゃんがあきらさん、マイティー、れいちゃんと一人ずつ踊るところは「ハンナのお花屋さん」「CASANOVA」「ポーの一族」で魅了してくれた親友、相棒、運命的な愛憎を抱いた相手ーーといった役たちを思い出し、
いまの生徒さんを重ねずにいられなくて、これが泣かずにいられましょうか。
特にみりおちゃんがれいちゃんの背中を柔らかく押すときの限りない優しさ、慈愛のようなものには胸がいっぱいになりました。
「Sante!!」の「乾杯」の黒燕尾に続いてみりおちゃんの黒燕尾をヤンさんの振付で観ることができて、ヤンさんファンとしてもヅカファンとしても幸せでした。
一人舞台に残ったみりおちゃんの「ケ・サラ」の歌はこの日の舞台でもっとも感動しました。
パレードはくみさん(芽吹幸奈)の エトワールとしろきみちゃんの一人降りに胸が熱くなりました。
くみさん、プログラムのスチールでターバンの飾りにつながるような耳飾りと、ネイルだけでなく指と手の甲に直接スワロフスキーをきらきらとつけていてセンスのよさを感じました。
寂しくなります。
花組で注目しているホッティーが初めての階段おりで、初スチールに中詰の銀橋にと抜擢されているのもうれしかったです。
「シャルム!」はスーツ、黒燕尾、男役を極めそして楽しんでいるみりおちゃんを何度でも見たくなりますが、
観劇が楽しみな一方で最後の日が近づいてくる寂しさを感じています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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