観劇の感想

始まりと終わり フィナーレとエトワールとサヨナラショー(月組「エリザ」LV感想)

こんばんは。ヴィスタリアです。

まだ書くの?と思われる向きもあるかもしれませんが書いているヴィスタリア自身がそう思っています。
全部で10,000字くらいになって、こんなに書いたのは学生時代以来かもしれません。
でも書きたいので書きます!

フィナーレ 大いなる美しさとマンネリの功罪

フィナーレの歌手 美弥るりかちゃんの美しさ

セリ上がり、歌いながら銀橋をわたる美弥るりかちゃん、きれいだし復帰してくれてうれしいし、愛がいっぱいだしでうっとりしながら聞きました。

今回ライブビューイングでるりかちゃんのアップがたくさん見られましたが、美しいお顔にほどこされた綺麗な舞台化粧がしっかり見ることができました。

ヴィスタリアが一番すてきだと思ったのはアイシャドウです。
すごく繊細な、まるでスプレーで吹きつけたんじゃないかというくらい完璧なグラデーションなんですもの。

月組本などでもメイクにこだわっているとお話しているのを思い出しました。

マンネリ化のよしあし

「エリザベート」のフィナーレって初演から20年経っても全然変わらないのですね。
(途中から加わった「踊るなら」の曲が加わったという変化はありますが)
振付や曲のアレンジなど、そろそろ変えてもいいような気がします。
「キッチュ」のラインダンスなど振付のテンポがものすごくゆ〜ったりして見えます。

20年前に比べて生徒さんのダンスのレベルは相当に上がっていて、この2倍どころか3倍、4倍のテンポでも美しく踊れるのではないでしょうか。

男役の群舞などは「ああ、○年前の○○さんのポジションでいま△△ちゃんが踊っている」という胸が熱くなるものはありますし、それぞれの生徒さんの個性がわかるのは楽しいのですが、このままずっと続くんでしょうか。
そろそろ変わってもいいのではないか、テンポアップしてもいいのではないかとも思います。

エトワール/美園さくらちゃん

美声が響き渡っていました。
今回ライブビューイングで見ていてメイクが垢抜けたように思いました。
あと次期トップ娘役と思って見るからかもしれませんが、女官のなかにいると目立ちます。かわいくて。
「雨に唄えば」のときは舞台でもライブビューイングでもヘアメイクがちょっと…と思うところがあったのでよかったです。

2幕最初の各国の美女のところでクレオパトラでバイトをしているのにもすぐに気がつきましたが、黒髪も衣裳もよく似合っていたとヴィスタリアは思いました。
(スペインの美女のバイトをしている海ちゃんの美しさも目をひきました)

フィナーレでたま様を娘役さんたちが囲んだとき、たま様との絡みがあり、これからたま様とさくらちゃんのコンビが始まり、月組の新しい時代がはじまるのだと思いました。

愛希れいか様さよならショー

白いドレスのちゃんぴちゃんがトップ娘役になってからの思い出の歌を歌いつづりました。
「ロミオとジュリエット」ジュリエットの「いつか」
「ベルサイユのばら」ロザリーの「ばらベルサイユ」
「舞音」マノンの「What is love?」
「1789」マリー・アントワネットの「神様の裁き」

ちゃぴちゃんが一度舞台を去り、すーさん(憧花ゆりの)が「カルーセル輪舞曲」の一場面を再現し、しっとりと歌い上げました。

この場面、Blu-rayで見て印象的だったのですがすーさんもこれを選ばれたのね…と思いました。
すーさんの歌にあわせてありちゃん(暁千星)・おだちん(風間柚乃)がそれぞれ叶羽時ちゃん、結愛かれんちゃんと組んで踊っていました。

ちゃぴちゃんは今度は黄色いドレス、黄色の生花の頭飾りをつけて「グランドホテル」のエリザヴェッタの歌を歌いました。
男爵をチャーミングだと歌う、恋のときめきが始まる歌です。

たま様男爵も登場して、たま様の「LOVE CAN’T HAPPEN」の歌、そしてデュエットダンスがありました。
この作品が大好きで、ちゃぴちゃんのエリザヴェッタが大好きなので感慨深かったです。

ちゃぴちゃんの伸びやかなダンスが大好きでした。
スケールの大きなたま様とのダンスが大好きでした。
それはもう終わってしまうけれど、すばらしいものを見せてくれて、終わっても悔いはないと思わせてくれたデュエットダンスでした。

さよならショーで一番印象的だったのは最後の「ドリーム・ガールズ」です。
舞台に勢ぞろいした月組生一人ひとりに目を合わせ、なにかを伝えるかのようにちゃぴちゃんは笑顔ではじけていました。

涙を浮かべている組子たちがいるなかでちゃぴちゃんは笑顔で、この舞台にいること、卒業することを晴れやかに誇っているようでした。

ヴィスタリアは勝手に「たいへんなことがたくさんあって、それを全部乗り越えて笑って卒業できるんだね。そしてそれを仲間に伝えているんだね」とうるうるしながら見ました。

黒紋付、緑の袴で大階段をおりてきたちゃぴちゃんは、目に涙をためながら、でも笑顔で挨拶をしていました。
この日を迎える緊張と、感無量であること、感謝を語る素直な言葉にこの先の希望という明るさがあり、これからもちゃぴちゃんを応援したいと思いました。

カーテンコールが何度もあり、最後にたま様と袖に並んだちゃぴちゃんがこんなことを言っていました。
「ここはパワースポットだと思います。どんなに緊張したりしていても、神様が助けてくれました」
(ニュアンスで書いています。正確な言葉ではなくてごめんなさい)

これを聞いたとき、それはちゃぴちゃんがうんと努力してがんばってきたから神様のようなふしぎな力が助けてくれたんだよ、とヴィスタリアは思いました。

憧花ゆりの様 夢をかなえた女の子

月組組長のすーさんがこんなに早く退団するとは思っていませんでした。
すーさんの舞台暦を光月るうさんが紹介していましたが、下級生時代の別箱やディナーショーが多く紹介されていました。
こういうのはご本人が選ばれているのだと思うのですが、すーさんはそういう公演をがんばってやがて月組を代表する娘役になっていったんだなと思いました。

すーさんの挨拶にしても、いま舞台のすーさんはなんでもできるのですんなりここにいるように思ってしまうのですが、悩み苦しみ、怒られ泣かれ、幾多の課題を乗り越えてここに到達したのですね。
宝塚に入る前、入ってからの苦労、そしていま…流れるようなすーさんの挨拶は、すーさんという一人の女の子の物語を聞いているようでした。

そして「今までいただいたものを自信に変えて、これからの道を歩んでいきたい」と凛と前を向いていた言葉が印象的でした。
(これもニュアンスです。正確には違うかもしれません。)

宝塚ファンとしてはまだすーさんが宝塚に、月組に必要だと思うけれどすーさんはもう悔いのないところまでやりきって卒業されるのだと思いました。

月組のひとつの時代が終わり、そして始まる

ちゃぴちゃんとすーさんの卒業は、トップスターの代がわりと同じくらいインパクトがあるようにヴィスタリアは思います。
ちゃぴちゃんのプロフィール紹介で「グランドホテル」について、”慕っていたたま様のトップお披露目公演で支えになりたいと無我夢中でやった”と光月るうさんが話しておいででした。

組長のすーさんにしてもそういう思いをどこかに持っていたかもしれません。

お2人が卒業されるいま、たま様は月組を支える堂々たるトップスターです。
この日の挨拶でも涙を浮かべている組子さんが多いなか、にこにこ、はきはき、しっかりされていました。

カーテンコールでちゃぴちゃんと登場して「最後だから何か言った方がいいよ」と促すのも優しさがあふれていました。

たま様が引っ張る月組を今後も見続け、応援していきます。

長々と5回にわたって書いてきましたがこれで本当におわりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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