考えたこと

海外ミュージカルの難しさ スカピン・エリザ・ファントム

2019年の月組別箱が「ON THE TOWN」と発表されました。
現在宙組が「WEST SIDE STORY」を梅芸で上演中で、今後も月組「エリザベート」、雪組「ファントム」と海外ミュージカルの上演が続きます。
 
今回は宝塚の海外ミュージカル上演について考えてみたいと思います。
andresilva5 / Pixabay
 
ヴィスタリアが考えたことはこちらです。
 
 
 
 
 
 
 
できれば映像化できる作品を選んでほしいと思います。
劇団にとってもファンにとっても映像化があるかどうかは大きな問題のはずです。
劇団は収益になりますし、ファンは好きな舞台は何度だって見たいものです。
ヴィスタリアはスカステ難民なので欲しいBlu-ray、DVDがたくさんあります。
 
現在梅芸で宙組が上演中の「WEST SIDE STORY」は権利の関係か映像化されません。
ヴィスタリアは見ることが叶いませんでした。
月組(1998年)の「WWS」も見られなかったことを後悔している作品の一つです。
当時好きだったしぶじゅんことリカさん(紫吹淳)のベルナルドも、じゅりぴょん(樹里咲穂)のアニタもこの目で見てみたかったです。
じゅりぴょんの出世はここから始まったんですよね。
 
来年の月組の「ON THE TOWN」は映像化されるんでしょうか。
「雨に唄えば」はDVD化されるのか心配していましたが、無事されることになり安心しましたけれど、同様に映像化されるといいのですが。
 
 

主要な役が少なく、スターシステムと合致しないことがある

別箱の規模なら主要な役に男役も娘役もスターを配することができても、大劇場公演となるとスターさんたちが余ってしまうことがあります。
 
星組(2017年)の「スカーレット・ピンパーネル」の映像を見て、カイちゃん(七海ひろき)がロベスピエールにキャスティングされていることに驚きました。
過去の星組・月組とはキャスティングの趣きが違うような…と、過去の上演の配役をwiki先生で調べてみました。
 
あらためて見ると、「スカピン」は3番手以下の男役のキャスティングが難しいと思いました。
出番の多さ、マリーという相手役がいるという意味ではアルマンが目立ちますが、3番手がやるには役が若いです。
カイちゃんをロベスピエールに配役し、目立つよう演出しているのはうまいですね。
ただ演目が発表されたとき「カイちゃんはどの役だろう」と気を揉まれたのではないでしょうか。
アルマンは若く、かといってデュハーストとフォークスでは役が小さすぎるわけですから。
 
主要キャストと宝塚のスターシステムのギャップの解消方法としてよくあるのが役がわり、女装です。
 
役がわりは、生徒さんが抜擢されるチャンスにもなりますが、やる方は大変ですね。
2役・3役やるご本人も、その方と絡む生徒さんたちもそれぞれ演技なりタイミングなり変えなくてはいけないことがあるでしょう。
 
そして男役さんの女装は、たとえば「WWS」のアニタでじゅりぴょんのように出世役になったりもしますが、娘役にとっては活躍の場が奪われることになります。
アニタにしても、「ガイズ・アンド・ドールズ」のアデレイドにしても、本当だったらそういう役をできる娘役さんが各組にいてほしいです。
それにやりたいと思っている娘役さんもいるでしょう。
 
本当はそういう女役度の高い娘役さんや、本来の役に合った上級生が活躍できる組であった方が作品全体の質は高まると思いますが、スターシステムがある以上難しいのかなと思います。
スターシステムが宝塚の魅力の一部でもありますし。
 
 

大劇場公演の場合、組と作品のバランスは取れているか

海外ミュージカルは作品のレベルが高く、スケールの大きいものも多いですから大劇場公演でこそ見たいとも思います。
協賛もつきます。
しかし大劇場公演は組と作品のバランスが取れているか、そして生徒さんにとってプラスになるかが気になることがあります。
別箱とは後々の影響度が違いますし新人公演もありますから。
 
別箱で出演者の人数が減っていれば、役とスターのバランスも取れるでしょう。
先般月組で上演した「雨に唄えば」にしても、いまオンデマンドでヴィスタリアがハマってリピートしている「ドン・ジュアン」にしても「もう一度見たい」と思ういい演目だと思うのですが、大劇場公演でやるには役に対してスターさんが余ってしまいます。
 
 
「スカ―レット・ピンパーネル」
先日2017年「スカピン」の感想でも書きましたが、「スカピン」がべにーさん(紅ゆずる)にとって思い入れのある作品だったとしても、このタイミングの星組と「スカピン」は”相思相愛”だったかといえば違うとヴィスタリアは思います。
 
あーちゃん(綺咲愛里)にしても ことちゃん(礼真琴)にしても、あと数作経験を積むまで待ってほしかったです。
 
 
月組「エリザベート」
退団するちゃぴちゃん(愛希れいか)の餞ありきで決まった演目かな?と思っているのですが、主要キャストが誰も役のイメージに合ってません。
 
もしちゃぴちゃんの退団という事情がなければいまの月組で「エリザベート」が見たい、とはならないのではないでしょうか。
また生徒さんたちもいま「やりたい」と思っているのでしょうか。
(ヴィスタリアは月組が好きなので楽しみにしていますし期待していますが)
 
 
雪組「ファントム」
月組「エリザベート」とはまた事情が違うとヴィスタリアは思っています。
トップコンビは歌えますし役も合っていそうですし、主役ですから見せ場もあっていいでしょう。
逆にそれ以外の生徒さんにとって「いまやりたい」「成長できる」作品でしょうか。
 
ヴィスタリアは過去の「ファントム」は未見なのであらすじ・配役などを過去の公演情報などで調べて書いているのですが、スターさんに比べて役が少なくて、「スカピン」同様キャスティングに悩みそうです。
 
それで今回は3番手のナギショ(彩凪翔)と4番手のあーさ(朝美絢)が役代わりなのですね。
これはトリプルキャストではなくダブルキャストの役がわりですし、ただ役が足りないだけで役代わりをしている以外の意図があるのではと勘繰ってしまいます。
3番手と4番手の役がわりではなくW3番手への道すじにしようとしているのではないか…ということです。
 
あーさの月組から雪組への組がえがステップアップになっており、バウ単独主演も果たして勢いにのっているでしょう。
なによりあーさ本人から「やってやる!」という気概のようなものが溢れているように思います。
(ナウオンでイシ様が「月組のときと違う。変わった」と仰っていましたが、ヴィスタリアは月組「グランドホテル」、雪組「ひかりふる路」を映像で見て、あーさは変わったなと思いました。)
 
 
演目の決定はいろいろな事情はあると思いまし海外ミュージカルも見たいのですが、できればトップやトップコンビだけでなく組や他のキャストに合った作品が選ばれるといいなと思うヴィスタリアでした。
 
 

ランキングに参加しています。ポチッとお願いします。

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ