観劇の感想

月組「応天の門/Deep Sea」役ごとの感想

おはようございます。ヴィスタリアです。

東京宝塚劇場で月組「応天の門/Deep Sea」を観劇しました。

ヴィスタリアの独断と偏見と偏愛に満ちた役ごとの感想です。

月組「応天の門/Deep Sea」役の感想

「応天の門」は日本物ではありますが舞台化粧がいつもの日本物ともふだんの宝塚歌劇の舞台化粧とも違うのが印象的でした。

目元のパール感、色味、ツヤが強調された肌感やチークが印象的でした。

■菅原道真/月城かなと
美しいですねえ…とれいこちゃん(月城かなと)の美しさについて今さらあえて言う必要はないですけれど、それでも美しいと言わずにいられません。

そして巧いですね…と、これもやはり、芝居巧者のれいこちゃんにあらためて言うことではないのかもしれませんが、やはり巧いです。

表情、立ち方、居方、声などが本当に原作から抜け出てきたような段違いの完成度がすごかったです。

頭がうんとよくて口を開けばからいげのない、でも傷ついた経験があってここではないどこかを夢見ている若き貴族であることが伝わってきます。

芝居をしっかり締めて茶髪の鬘もしっかり似合う桂木/梨花ますみ
おきゃんなかわいさで溌溂としていた白梅/彩みちる
コメディ寄りの芝居の巧さも盤石な長谷雄/彩海せらとの場面は
雪組!?」となりましたがテンポもよくて楽しかったです。

ショーのラテンの舞台化粧も本当に美しくて王道な色気があって、歌ってよし踊ってよし、特にデュエットダンスのストーリー性のある駆け引き、ドラマチックな雰囲気にたっぷり浸らせてくれました。

お芝居はうみちゃん(海乃美月)との恋愛要素はなかったのでデュエットダンスに大人っぽいキスシーンがあったのもぐっときました。

次の別箱「DEATH TAKES A HOLIDAY」は海外ミュージカルで恋愛要素あり、今から大いに楽しみにしています。

■昭姫/海乃美月
唐から来た昭姫、お衣装も髪型も額に飾りのある舞台化粧もお似合いでした。

「KINGDOM」「ブラック・ジャック」などうみちゃんがかっこいい女性を演じるのがとても好きなのですが、今回は気風のいい、潔よい年上の女性のヒロインでした。

れいこうみは芝居の相性もよく呼吸が合っているのを感じるのでこういうのもありだな…と思わせてくれます。

ショーではしやなかでたおやかな美のあるうみちゃんがかなり激しく踊っていて胸がすくようでした。

人魚の衣装にはちょっと驚きましたが(←うみちゃんのせいではありません。河底先生の衣装があまりにも…という意味です)、真珠のパンツスタイルの美しさといったら。

タンゴのデュエットダンスの凛とした強さ、かっこよさもすばらしかったです。

「BADDY」のデュエットダンスとはまた違う形で寄り添うだけが娘役の美ではないと魅了してくれました。

■在原業平/鳳月杏
トップコンビに恋愛要素がなかった分、切ない恋愛を見せてくれたのがちなつさん(鳳月杏)藤原高子/天紫珠李でした。

水もしたたるいい男、もてっぷりがまぶしくて、またクスリと笑わせてくれました。

若き日の業平/英かおと若き日の高子/蘭世惠翔のまるで絵のような美しさもうっとりでした。

うーちゃん(英かおと)の顔の小ささ、等身の高さは芝居でもショーでも慄かずにいられません。
スタイルお化けですし見せ方もかっこいいです。

ショーの女装は残念ながら地毛のちなつさんを観る機会はなかったのですが、いい意味で女装感があるといいますか、男役さんが女役をしている感じがあるのにドキドキしました。

この公演で退団される同じ92期の清和帝/千海華蘭との台詞のやりとりがあるのがうれしくて、中の人を重ねてはいけないのですがついつい…。

「ピガール狂騒曲」のお2人のアドリブ合戦も楽しかったのを思い出しました。

そしてからんちゃん(千海華蘭)はショーで何度も客席に視線がまっすぐ飛んできたのと、小気味のいいキレキレのダンスに目を奪われること度々でした。

寂しくなります。

■藤原基経/風間柚乃
スカイステージのNOW ON STAGEで配役について「長谷雄かなと思っていたらそんなにかわいい学年じゃない」といったようなお話がありましたが、観劇して深くうなずきました。

100期のおだちん(風間柚乃)、もう研10なんですよね。

腹に一物あり過去に深い思いを残している複雑な基経を存在感たっぷりに演じていました。

芝居も歌も安定感があるなあといつも思いますが、男役10年を迎えてこれからどんな男役スターになっていくのか楽しみです。

■藤原常行/礼華はる
先日星組全国ツアー「バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!」でしんくん(極美慎)が「化けた」と感じたのですが、ここにもいました。

ぱるくん(礼華はる)の存在感が、堂々たる押し出しと自信、スターオーラがキラキラでまぶしかったです。

これまでは長身で目を引かれることが多かったのですがそれ以上のもので輝いていて目が吸い寄せられました。

歌も初日付近と1ヶ月近く開けて観劇したのですが、この公演中にもうまくなってステップアップしているのを感じました。

次はバウ「月の燈影」で初主演が待っていますがいま飛躍のときを迎えているのを感じました。

■藤原良房/光月るう
ずっといてくれるように思っていた組長のるうさん(光月るう)がこの公演で退団されます。

老け役はこれまでもありましたが只者ではない存在感はさすがの巧さですが、舞台化粧からしてちゃんと年齢を重ねた男性に見えるのが巧すぎて驚愕しました。

年齢を重ねると目と瞼の間の距離が長くなりますよね。
るうさんの良房、ちゃんとそう見えるんです。

グレイの髪色や髭に頼らずともこうしたことができるんだな…と思いました。

ショーで歌にダンスにと出番がたくさんなのもうれしかったです。

寂しくなります。しかし長い間、そして組長の大役お疲れ様でした。

■黒炎/朝霧真
歌舞伎も宝塚歌劇も見る友人と「各組のよく切れる刀は誰か」という話をすることがあります。

「籠釣瓶花街酔醒」の幕切れの台詞「よく切れる刀だのう」からですが、要は各組のこれぞという、舞台をぐっと締めるかっこよさのある、欠かせない生徒さんのことです。

97期のぎりくん(朝霧真)は正に月組の「よく切れる刀」でした。

長身で踊るかっこよさに何度目を奪われてきたことか。

ショー「Deep Sea」中詰で赤いスーツにハットの男役さんがずらりと勢ぞろいするのを遠目に見て、「あのハットのかぶり方がかっこいい、ダンスの巧い男役さんは誰だろう」とオペラでのぞいたらぎりくんでした。

寂しくなります。

自分は月組の97期が好きなのですが(うみちゃんのスカイステージの「Side-A」を見てますます好きになりました)、
國道/蓮つかさの検非違使のクールで熱いかっっっこよさ、しっかりとした声のかっこよさにオペラでおいかけがちでした。

また菅原是善/佳城葵の冒頭の酔っ払いとの2役の見事な演じ分けとそれぞれの巧さ、そして見事すぎる滑舌の明晰さロックオンせずにいられませんでした。

大好きです。

■大師/結愛かれん
かわいくて色気があって、そしてダンスの名手である101期ゆーゆ(結愛かれん)が退団してしまうなんて…寂しくなります。

芝居でもショーでもそのダンスをたくさん見せてくれる場面があってうれしかったです。

特に大師は女性なのはわかっていますけれどそうした性別を超えるような、関係なくなるようなかっこよさと綺麗さを感じました。

残念ながらライブ配信は見られなかったのですが新人公演で大師演じた106期のめいめい(涼宮蘭奈)はどんなふうに舞ったのかな…とふと気になりました。

というのもめいめいがダンスがうまくて雰囲気のあって、ショーのどの場面にいても目に飛び込んできたからです。

ロケットの黒い髪の毛もよく似合っていて踊ると軽やかかつ鮮やかでした。

なんとか大千秋楽の前に感想を書くことができました。

所用で配信は見られないのですがすばらしい千秋楽になることを心から祈っています。

月組バンザイ!
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