こんばんは、ヴィスタリアです。

海乃美月ちゃんの大活躍に思う娘役力の高さ
先日「出島小宇宙戦争」の感想を書いていてうみちゃん(海乃美月)はすごい娘役スターだとあらためて思いました。
娘役としての素質、舞台がすばらしいのはもちろんのこと、この最近の活躍がすごいのです。
うみちゃんは3年連続で別箱のヒロインをつとめています。
上演年 | 作品名(役名) | 主演 |
2018年 | THE LAST PARTY(ゼルダ・フィッツジェラルド) | 月城かなと |
2019年 | アンナ・カレーニナ(同) | 美弥るりか |
2020年 | 出島小宇宙戦争(タキ/カグヤ) | 鳳月杏 |
この経歴自体がすごいことですがうみちゃんの娘役としてすごいところは、
いずれの男役さんとも並びが美しくて、芝居の相性のよさを感じさせ、作品世界を深いものにしたことだと思います。
相手の主演男役さんはれいこちゃん(月城かなと)、美弥るりかちゃん、ちなつさん(鳳月杏)、それぞれ違う魅力と個性、実力を兼ね備えたスターさんたちです。
れいこちゃんと並べば正統派でノーブルな美男美女、
美弥るりかちゃんと並べば繊細かつ耽美、
ちなつさんと並べば大人っぽくて艶のあるコンビ。
どの作品、コンビも「この2人が組むとすごく合う。もっと違う作品やショーも見たい」と思わせてくれました。
娘役力というものがあるとしたら、娘役さんご自身が美しくて夢を見させてくれる上に相手役、男役さんを一層素敵に見せることができることが大切なのではと思うのですが、
うみちゃんが卓越した娘役力の持ち主であることは、ゼルダ、アンナ、そしてタキを見れば明らかでしょう。
うみちゃんの気品のある美、立ち居振る舞いや仕草の優雅さ、流れるようなダンスの美しさ、たおやかさを娘役としてすばらしいことは言うまでもありません。
また別箱だけでなく本公演「I AM FROM AUSTRIA」ではポスター入りを果たしているだけでなくパレードの階段おりがソロだったことは娘役さんとしては異例です。
パレードで1人で階段をおりることができる娘役さんはエトワールを別にすればトップ娘役さんか、退団公演の娘役スターさんです。
退団公演であってもなかなか無いことなのでしろきみちゃん(城妃美伶)が卒業された「シャルム!」での1人階段おりは感涙ものでした。
いま5組を見渡してうみちゃんのような活躍の仕方をしている娘役スターさんは他にいません。
花組、星組、宙組はいろいろな娘役さんがヒロインを任されています。
雪組の別箱ヒロインはじゅんはなちゃん(潤花)が続いてはいますが、新人公演学年内で本公演での活躍の仕方が異なります。
これは言いかえれば月組の娘役スターの活躍の仕方が他の組とは違う独自のものでもあるということになるでしょうか。
そうなると9月の月組バウホール公演でヒロインを誰になるのかがとても気になります。
海乃美月ちゃんのおすすめの3作品
ヴィスタリアの特に好きなうみちゃんの役を3つ挙げてみます。
◆「エリザベート」ヴィンディッシュ嬢
月組「エリザベート」でもっとも強く心に残ったのがエリザベート/愛希れいかとヴィンディッシュ/海乃美月の場面でした。

うみちゃんの線の細さ、消えてしまいような透明感、最後に左目から一筋流れる涙が印象的でした。
うみちゃんのヴィンデッシュは精神に異常をきたしていることよりも深く傷ついて心が壊れてしまっていることに焦点があるように感じました。
その傷をうみちゃんのヴィンデッシュを通じて見たときに、なにかが浄化されるように心を揺さぶられて、
なぜこんなに涙が出るのかわからないと思いながらライブビューイング、そして劇場での観劇のたびに涙せずにいられませんでした。
◆「アンナ・カレーニナ」アンナ
大好きな美弥るりかちゃんの最後の主演公演、思い入れのある作品のヒロインアンナがうみちゃんで本当によかった、と強く思います。

華やかな貴婦人、社交界の花のアンナとして深紅や漆黒のドレス、黒い手袋を見事に着こなしていて、アレクセイ・ヴィロンスキー/美弥るりかと並んだ姿は正に完璧な絵でした。
一方で精神的な不安定さ、競馬場の場面での張り詰めた緊張感の表現も繊細でした。
るりかちゃんのさよならショーの最後、ショーを休演中だったうみちゃんがドレスで登場して「Everything for Love」をデュエットしてくれたときは本当にうれしかったです。
◆「出島小宇宙戦争」タキ
「カンパニー」瀬川由衣役のジャージのうみちゃんも好きなので迷いましたが、
タキのふしぎでミステリアスな魅力と透明感がすばらしかったのでこちらを選びました。

タダタカ/光月るう、そしてカゲヤス/鳳月杏との間で交わされる爽やかで甘酸っぱくて思わせぶりなやりとりも巧さが光っていました。
色とりどりの着物風にプラチナブロンドの調和のさせ方、フィナーレの大人っぽいドレス姿もすばらしかったです。
そしてフィナーレでの大人っぽい艶やかさ、ちなつさん(鳳月杏)との夢の世界へと誘うデュエットダンスにショースターとしての実力も見た思いです。
海乃美月ちゃんのこれからのこと
少し前に上級生の娘役がトップ娘役になる組があってもいいでのはないかといったことを書いたら反響がとてもありました。

97期生であるうみちゃんがもしもトップ娘役になったら泣いて喜びます。
月組トップ娘役の美園さくらちゃんが卒業された後、後任がもしもうみちゃんだったら、
相手役がどなたであれ娘役力の高さで並びの美しさも芝居も相性のいいコンビを見せてくれることでしょう。
念のため申し添えますがさくらちゃんにやめてほしいという話ではありません。
いろいろな男役さんと組んでヒロインの大役を果たし芸の幅を広げてきたうみちゃんが年月をかけて磨き深めてきた芸と個性を真ん中で見せてくれたら、大輪の花が舞台に咲くようだろうな…と夢を見ています。
たとえば柴田先生の作品なら「仮面のロマネスク」のメルトゥイユ夫人のエヴァのような大人の女性が見てみたいです。
「THE KINGDOM」の気の強いスパイジェニファー役もよかったところから連想(というより飛躍)して、マタ・ハリのようなエキゾチックな役も似合いそうです。
ミュージカルなら宝塚の娘役としては異色の役である「グランドホテル」のグルシンスカヤをちゃぴちゃん(愛希れいか)とは違うアプローチで見せてくれそうです。
新人公演で演じていますが映像でも未見で、いまの学年のうみちゃんが演じたらどんなグルシンスカヤを見せてくれるでしょう。
大人の女性ということで「スカーレット・ピンパーネル」のマルグリットも似合いそうです。
人事的なことはわかりませんけれど、娘役としての美しさと華、品、立ち居振る舞いの優雅さ、実力が輝いているうみちゃんの活躍をこれからも楽しみにしています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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